立命館大学国際課を通じ、アジア諸国からの私費留学生に対し毎月3万円(年額36万円)の奨学金を匿名で支給してきた校友が昨年3月に亡くなった。
昭和25年旧制大学二部法学部出身の室田文泉(むろたぶんせん)氏である。京都府の公立高校の教諭として働きながら、1990年から2003年まで毎年8名ほどの留学生に月額3万円を支給し続けてこられた。その総額は、優に三千万円を超える。昨年、同氏が病床に伏され、ご子息からの連絡であらためて調査し、同氏が本学校友であることが確認された。
お元気な間は、断固匿名を守られ、日時を指定して登場され、直接奨学金を支給してこられた。聞けばその折に自らの戦争体験を語っておられたとか。そのような事情から、国際課スタッフも同氏が校友であることさえ把握できなかった。一人の校友の生き方である。