2002年4月9日、大分県平松守彦前知事に始まった全国知事リレー講義は、1月20日最終講座を向かえ、埼玉県の上田清司知事が「埼玉の将来像」をテーマに講義を行った。土屋前知事が自身の資金疑惑で辞任した後、激しい選挙戦を制した上田知事は、26項目にも及ぶマニフェストを前面に押し出し、幅広い支持を集めた。知事は講義の中で、「『マニフェストをいつまでにやります』と言っても市民にはわかりにくい。一番わかりやすいのは『すぐにやります』ということです」と話し、自身の掲げる政策の達成速度を強調した。今年度の担当教員だった政策科学部の水口憲人教授は、「47名にも及ぶ講師の個性とダイナミズムを感じさせる講義内容だったと思う」と講座を振り返った。なお、2004年度は、法学部で開設される。 また、国際関係学部で開設されていた総領事リレー講義は、1月16日に第15回タイ王国チャカリン・チャヤポン(chakarin chayabongse)総領事の「タイ王国の外交」で今年度の講義を終了した。同総領事は、東南アジアで唯一独立を維持してきたタイの歴史に触れ、軍備や経済力において小さな国家という自覚のもとで、敵を作らない全方位外交を行う重要性を強調。テロの危険性が懸念された昨年10月バンコクでのAPEC会議の成功も、タイ独自の外交の賜物だと述べた。また、14世紀から友好が続く日本との関係については、第二次大戦後から増加している在タイ日本人による経済活動に言及し、二国間双方向の連携が進んでいると語り、さらに、これまで援助する側とされる側という関係だった日タイ関係が、「援助」から「パートナー」へと移行していく時期にきているとの認識を示した。 | |
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