11月26日(土)16時より、ホテルニュー長崎において、長崎県校友会総会が開催された。今回の参加者は来賓4名を含め総勢51名。うち初参加の校友が20名にも達し、大変明るい雰囲気が会場を包み込んだ。
第一部は講演会。長崎の著名人であるブライアン・バークガフニ長崎総合科学大学教授を迎え、『京都の思い出・長崎への思い』と題する講演が行なわれた。ブライアン教授は、横山正人同会会長(S58/1983院理工:長崎総合科学大学教授)と同僚であるため気恥ずかしい面があるとしながらも、カナダからの来日後10年あまりを過ごした京都・妙心寺での修行や有栖川での下宿生活、その後長崎での約30年にわたる生活を通じて見出した日本文化の美点と欧州文化との差異を、時折ユーモアを交えつつ披露。「中華料理でおなじみの『円卓』は、日本においては長崎から普及した。円卓は座における上下関係を作り出さない。これは歴史的に西洋東洋そして和が交錯する多文化共生の都市であった長崎だからこそ、その意義が見出されたといえる」と述べ、「今も長崎に根付く和華蘭(わからん)文化に誇りを持とう」と述べ、盛大な拍手のもと講演を締めくくった。
続いては、艶やかなバリトンが魅力的な池田真樹幹事(H11/1999経済)の進行のもと、物故者への黙祷、校歌斉唱を経て第二部総会が開始され、まずは校友会本部事務局より出席の野村慶人校友・父母課員による学園近況報告、福元寅典校友会本部副会長・鹿児島県校友会長の来賓祝辞が行われた。
その後登壇した横山会長は「今回の総会は、毎回出席の諸先輩で残念ながら欠席の方が多いものの、若手・中堅の方そして女性校友に多く出席いただくなど、今までにない傾向が見出された。これも昨年の福岡校友大会開催を契機として展開した諸活動による成果ではなかろうか」と会長挨拶を述べた。その後の事業報告においても、「これら新しい潮流を確実に発展させるべく、この間様々な企画運営に取り組んでくれた若手を中心に今回青年部、女子部を発足させる。また、職域校友会の新規・再開発を図るとともに、Webなども使いながら日常的交流を充実させ、活動基盤をさらに強化したいと考える。さらには、同胞熊本県校友会が今般取り組んだように、就職活動支援の取り組みなど母校・後輩に対する貢献も是非実現したい」と抱負を語り、シニア校友からの激励を含め満場一致で議案を可決した。
なお、同時に報告された役員改選では、職域幹事職新設(三菱重工業)のほか、この間献身的に同県校友会活動を支え、若手・女性参加に尽力した山口孝司事務局長(S51/1976産社)が勇退し、後任に池田幹事が就くことが発表された。池田事務局長は全国に52ある都道府県校友会の事務局長職で、卒業年次最若手※としての就任。新人歓迎会や若手懇談会開催をはじめとする若手校友参集の環境づくりの中核的役割を果たした手腕を買われての登板だけに、横山会長、山口前事務局長はじめ先輩諸氏からの期待が極めて大きい。最後に当日出席の新役員が前に進み出て自己紹介を行ったのち、総会は閉会となった。
※ 卒年では、岐阜県校友会の房野麻紀子事務局長(H15/2003院政策)が最若手となるが、房野事務局長の学部卒はH9年であるため、グロスで長崎池田新事務局長が最若手となる。
第三部懇親会は、池田新事務局長とともに若手の校友会参加を牽引した村崎浩史副会長(H14/2002経営)が司会を担当。まずは、今春の統一地方選で大村市議会議員2期目の当選を果たし、総会翌日からは同議会の先輩議員とともに2度目となる陸前高田市入りを行うことを報告。「個人だけなく、市議会という束になって太く長くお手伝いがしていきたい」と述べ、先輩諸氏から温かな声援が送られた。
続いて、井元章副会長(S34/1959文)の乾杯発声で開宴。同年代の参加者同士で構成された円卓では、最初からフランクな交流・懇親が進められる。従前に比べて、若手や女性の参加者がかなり多くなっていることもあって、興味を示したベテラン校友の側から、グラス片手に挨拶を仕掛けるケースも見受けられる。また、山口前事務局長が牛タンとみかんを配りだした。前者は、宮城県校友が経営する『ささ圭』から取り寄せたもの、後者は、以前長崎に勤務し今は和歌山に赴任する校友より、同日朝自宅に送られてきた有田みかんとのことであった。
宴の中盤ではアトラクションとして、『テーブル対抗!立命愛クイズ』が実施された。これは、昨年の福岡校友大会を通じて親交を結び、先般同様のクイズ大会を実施して総会が大変盛り上がった大分県校友会事務局より、設問シート(パワーポイント)の「売込み」があったことによるものだが、その素材に範を得つつも、長崎県校友会では村崎亜希子女子部担当幹事(H17/2005経営)がフルオリジナルで設問シートを作成!ご主人である村崎副会長および池田事務局長の進行、川口吉野女子部担当幹事(H13/2001経済)のアシスタントでゲームを開始した。
クイズ設問は立命館に深く関係する題材を選びながらも、全ての設問に長崎ゆかりの人物・場所等も漏れなく登場するうえ、横山会長が史上の偉人に扮していたりするなど、本家大分県版を上回る凝った仕掛けで、参加者一同大いにはしゃぎつつ全10問を楽しむ。同点決勝となった最後は、「最年長テーブル」と「最若手テーブル」の代表がジャンケン。最若手群に属した現役生としての北村謙さん(文学部4回生)が見事勝利し、拍手喝采のもと豪華景品をテーブルに持ち帰った。
続いては初参加者20名が前に出て、大歓迎ムードのなか一言スピーチを展開した。遠く平戸市から参加の高校教諭吉井邦浩さん(S62/1987文)、NHK長崎放送局山下清貴アナウンサー(H6/1994法)らの挨拶に続き、佐々木数幸さん(S63/1988院工修)がマイクを持った。
佐々木さんは地元に大きな存在感を示す三菱重工業長崎造船所の技術者。赴任当時佐々木さん一人であった立命館出身者も、その後コンスタントに配属が続き、現在27名を数えることを披露。昨年の忘年会を機に長崎県校友会の活動に初めて参加し大変刺激を受けたことに触れ、「今回の総会にて三菱重工の職域幹事職を拝命したので、今後、後輩共々積極的に参加すると同時に、三菱電機勤務の校友などにも声をかけグループ一体で、本会の活動をより一層盛り上げたい」と力強く抱負を述べ、会場を大いに沸かせた。
瞬く間に迎えた中締めは、池田新事務局長たっての願いにより山口前事務局長が締めの挨拶をすることに。「産社出身の私はこの学部で学んだことに誇りを持っている。『華の産社』万歳(笑)」と笑いを誘った後、温かな人柄が滲み出るエールを披露。盛大な拍手が沸き起こるなか閉会となった。
元同校友会会長で現在相談役を務める一瀬一徳さん(S43/1968法)は、「今回の総会は、長崎県校友会の今後の大きな飛躍に向けての起点であったと感じる。力強い若者・中堅、そして女性の参画が様々な化学変化を起こしてくれることを願っている。当分今後の展開から目が離せそうにない」と語り、横山会長ら執行部を激励した。