9月3日(土)14時より、熊本市国際交流会館において、『熊本県校友会主催 地元熊本での就職状況に関する情報交換会』が開催された。
この情報交換会は、熊本県校友会役員会の発案で、熊本県内在住の父母および現役学生を対象として企画されたもの。
隈部幸一同校友会長(S47/1972経営)は、「校友会の果たすべき役割とは何かと皆で考え、それは母校や後輩学生達の支援であろうという見解が導き出された。そしてこれだけ就職状況が厳しい折には、地元就職を志向する学生やその父母に対し、在熊本で活躍する校友が有意な情報を提供することで、その就職活動を支えたいと考えた」と企画趣旨を説明。飯田俊之事務局長(S57/1982産社)は、「たとえ一廉の人物であっても、直近の就活情勢を知らない校友が話をしても効果は薄い。今回は職域に強みをもつ本校友会の人的リソースを活用し、『リアル』な情報を提供できる体制を整えた」と補足する。
当日は熊本県下各地より、23組33名の父母・現役学生(9名)が参加。隈部会長の主催者挨拶ののち、松永奈美子さん(H22/2010法:熊本市役所)、富岡智顕さん(H23/2011法:肥後銀行)、田中圭さん(H22/2010経営:熊本ファミリー銀行)、樋口琢郎さん(H22/2010:熊本日日新聞社)が各々の就職活動体験発表を述べた。
松永さんは、低回生時から公務員志望を固め、大学エクステンションセンターの講座を受講、同じ九州の公務員を目指す仲間と自主ゼミを形成し、面接・論文対策などで研鑽しあった体験を披露。
体育会出身の富岡さんは、先輩の勧めもあって3回生時の早い時期から準備を始めたことと、面接が集中する時期には自らの志望の軸をしかと定め、スケジュールと体調の管理を万全に期すことが重要であると述べた。
田中さんは、地元そして金融業界で働きたいという強い意思を持ち、アルバイトなどで培った体験を自らの仕事観や社会観に昇華した上で元気かつ明るく面接に臨んだことを述べ、さらに父母に対しては「子どもを信じ焦らせないで。就活に関る経済的支援も大切」と助言を行った。
最後に登場した樋口さんは、報道記者を目指し3回生時からエクステンションセンターのマスコミ講座を受講したことや、日々新聞5紙を購読し、情報の捉え方や表現方法を練り上げていったこと、マスコミ業界を客観視するため他業種の面接も積極的に受験したことなどを披露した。
松永さんら4人の体験発表の後は、中堅世代の先輩校友西本賢正さん(S56/1981法:熊本市役所)、淀川潤一さん(H4/1992理工:肥後銀行)、硴塚光雲さん(S62/1987経済:熊本ファミリー銀行)も含めてのパネルトークが行われ、米本直美副会長(S58/1983文)の進行のもと、参加者からの質疑応答が展開された。
参加者による盛大な拍手をもって閉会した後は、引き続き職域ごとの個別相談が実施され、7~8組が熱心に質問・相談を投げかける姿が見受けられた。経済学部2回生のご子息と一緒に参加した豊田由美さんは、「息子とそれほど年齢が変わらない先輩達が、自分達の言葉でありのままに体験談を語ってくれたことにとても好感をもった。今後息子も就活への取り組み方について、具体的なイメージを掴みやすくなったのではないか」と話し、満足気に会場を後にした。
今回、校友会本部事務局(立命館大学校友・父母課)は父母への告知などを担当することで情報交換会の開催を支援し、当日は野村慶人事務局員が挨拶を行ったほか、立命館大学キャリアセンターより杉町宏課長、工藤祐一課長補佐が参加し、体験発表を踏まえた講評、2013年度就職活動の見通しなどを話した。杉町課長は「就職活動は『団体戦』。仲間と情報を交換・共有しつつ互いの研鑽を図ることで、各々の理想の進路が拓かれていく。今回のような校友会の情報支援も、まさに『団体戦』の1パートであると感じる」と述べた。