8月22日(日)石川県金沢市において立命館大学茶道研究部の夏季遠征『石川茶会』が開催された。今夏の北陸は例年に無く厳しい残暑となっており、当日の金沢市の気温も午前のうちから35℃に迫る勢いであったが、立命館校友・関係者をはじめ、地元高校生や一般市民など総勢170名余りが茶席を訪れた。
今回の茶会の会場となったのは金沢市郊外、日本海に面し北前船の寄港地として栄えた金石本町にある『石川県銭屋五兵衛記念館』。江戸時代末期の日本海を舞台に海運業で活躍し、「海の百万石」とも称された豪商銭屋五兵衛の偉業を称え石川県が設置した同記念館には、五兵衛が風雅を好み、茶の嗜み深く茶具の収集にも熱心であったことから立派な茶室・庭園が設えられており、茶道研究部の学生はこの絶好のロケーションのもと存分に日頃の修練の結果を披露することとなった。
茶道研究部は今年で創部65年目。「流派を問わず、茶道を志す者が共に学ぶ」という姿勢のもと、現在表千家・裏千家の二流派で活動しており、学校行事は全て二流派が合同で行っている。夏季茶会は、昭和27(1952)年に福岡県太宰府で初回開催してから、ほぼ毎年全国各地を舞台に開催されており、今回の開催で第55回目、石川県および金沢市での開催は通算8回目となる。今回の遠征茶会には40名強の学生が参加した。
自身も茶道研究部OBで、同部二度目の金沢遠征茶会(昭和38年)を経験した石川県校友会木場密雄幹事長(S40営)の尽力により、加納裕会長(S53産)をはじめとする石川県校友多数の強力な支援に加え(当日は47名の校友が来場)、石川県や北國新聞社はじめ地元報道各社が当該茶会を後援。
茶会案内冊子には、過去4度にわたり全国知事リレー講義にて本学に来学された谷本正憲石川県知事からの祝辞が寄せられたほか、当日は谷本知事の名代として石川県の県民文化局長が来訪されるなど、茶会に華が添えられた。
歴史的文化都市金沢での開催とあって来訪者のほとんどは日頃より茶道を嗜む方であり、茶道研究部の学生にとっては緊張を余儀なくされる場面もあったと思われるが、当日は席主を務めた茶道研究部長松本章宏さん(経営学部3回生)は「栄えある大舞台でのお手前披露に、皆胸踊る気持ちであった」と述べていた。
無事夏季茶会を終えた茶道研究部一行。23日(月)は兼六園など金沢市内を観光し、24日(火)からは能登半島での夏季合宿に向かう。
なお、茶道研究部は今秋10月30日(土)に福岡市で開催される『オール立命館校友大会2010IN福岡』にも参加しお手前を披露する予定。
取材は校友会事務局(校友・父母課)野村慶人が担当しました。