2006年に4年振りに開催して以来、毎年開催する様に努めてきた「第10回関東立電会」の第10回総会を10月31日(土)に立命館・東京キャンパスで開催した。
初めに松田浩章会長(S32卒)と、荒木敞前電友会会長(S34卒)が挨拶し、続いて電気電子工学科の高山茂教授(S59卒)より、 来年度からスポーツ科学部が新設され、立命館大学は13学部になることや、文科省のグローバル30に採択され、2020年に留学生数を20%にする課題目標に向けて推進していくこと、さらに電友会も設立17年を迎え、会員数が1700名を有する規模となってきたことなどについて報告された。
次いで、「複写機/複合機の市場動向と技術動向」と題して、キャノン(株)映像事務機開発センター主管研究員の山口宇氏('62院卒)が講演され、1959年に米ハロイド社(現米ゼロックス)が世界最初の複写機を発売してから今年でちょうど50年になることや、現在の複写機業界は日系メーカーが世界シェアの70%を占めていることなどについて話された。また、日系メーカーが競争優位性を保てる要因として「小型で低コストなハードウェアの開発技術力」「消耗品、保守・メンテナンスを重視したビジネスモデル」「強固な販売および保守・メンテナンス網の構築」を挙げつつも「しかしながら近年、これらの競争優位性を揺るがす脅威が押し寄せてきている」と警鐘を鳴らされ、その理由として「複写機業界の収益モデルを破壊する消耗品事業者の台頭」や「ハードウェアと保守を切り離す外資系メーカーの逆襲」などについてご指摘。「景気後退やカラー機の普及で市場が頭打ちになっている現在、さらなる飛躍を続けるためには、単なるもの売りから脱却し、複写機やプリンターをIT機器の一部と位置づけ、顧客の問題解決を提案するソリューションビジネスに向けて、企業の情報システムの全体を手掛ける、優れた『Management Print Service』を有する企業が生き残っていく」と締めくくられた。
講演後、活発な質疑応答が続き、出席者全員が意見交換し合う場ともなり、大変有意義な一時となった。最後に「東京キャンパス」の北本暢所長よりご挨拶をいただき、第1部を終了した。
その後、同じビル内にあるイタリアレストラン「パパミラノ・サピアタワー店」に会場を移し、美味しい食事と飲み放題の中で、自己紹介等でお互いに懇親を深め合った。参加者は18名と少数だったが、内容のある楽しい一時で、来年の再会を期して散会となった。
以上、米澤正勝氏のご報告に基く記事(S36卒)