京の都の商工業都市としての飛躍的な発展を背景に、五山十刹の禅文化、茶の湯、能、狂言など現代に息づく日本の伝統文化が生まれた「室町時代」。次年度から時代祭りに「室町行列」が新設されることに象徴されるように、今室町時代があらためて光を浴び始めています。 十刹の筆頭である等持院は、足利尊氏が夢窓疎石を開山に創建した足利家歴代の廟所であり、秋には尊氏の墓とされる宝篋印塔が紅葉に包まれ、心字池の北側の小丘には茶亭「清漣亭」が佇む風景が心を和ませます。 今年は、尊氏公が京都府綾部市で生誕されて700年にあたり、本山にあたる天龍寺のご協力をえて特別の寺宝展と講演会が行われます。とくに特別講演会には中世史研究の第一人者上島有(うえしまたもつ)文学博士が登場され、等持院の書院で講演されます。 また、寺宝展では、重要文化財「等持寺絵図」(文和元年:等持院蔵)、や今回初公開となる天龍寺文書「建武3年6月30日足利尊氏自筆請文」(湊川合戦で楠正成を討った恩賞を願い出、新田義貞討伐の光厳上皇の命令を確かに承って決戦に臨むという内容)などの貴重な展示が行われます。いずれも拝観料(500円)だけで参加・閲覧できます。 なお、立命館大学衣笠キャンパス末川記念会館で行われている日本最長記録を更新し続けている連続講座「立命館土曜講座」も、足利尊氏生誕700年を記念し、4回連続の特集を組んでいます。是非この機会にご参加下さい。 立命館大学は京都歴史回廊協議会の事務局としてこの取り組みを支援しています。 <等持院寺宝展> 10月7日(金)~11日(火)午前10時から午後4時、等持院方丈にて開催 <特別講演会> 10月8日(土)午後2時から4時、等持院書院にて開催 講師:上島有文学博士(摂南大学名誉教授) ※当日も余裕があれば直接受講できますが、事前に等持院(郵便番号603-8346京都市北区等持院北町63)まで往復はがきでお申し込み下さい。 ☆☆11月の立命館土曜講座☆☆ 各回ともに午後2時から4時、立命館大学末川記念会館にて開催 入場無料 5日(土)等持院をめぐる室町文化 (川嶋将生文学部教授) 12日(土)足利尊氏の人と政治 (杉橋隆夫文学部教授) 19日(土)社会経済史上の足利尊氏 (大山喬平京都大学名誉教授) 26日(土)足利尊氏の文学的到達 (中本大文学部助教授) | |
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