12月4日(土)午後、立命館大学衣笠キャンパスで、エクステンションセンター主催の「政治家養成講座」「報道・ジャーナリスト養成講座」(コーディネイター:福岡政行客員教授)の特別講演会が開催され、安倍晋三自由民主党副幹事長が500名余の受講生を前に「これからの日本」と題して約1時間講演された。なお、この講演会は、一般に公開された講演会ではなく、受講登録者を対象にした授業の一環であり、これまでにもジャーナリストの筑紫哲哉氏、民主党元代表の菅直人氏らに登場して頂いている。普段なかなか直接お話を聞けない方々、各界の第一線で活躍される様々な方々に直接登場して頂き、政治家、ジャーナリストを目指す学生達にそれぞれの方のお話を批判的に学ぶという訓練を行うことを目的としている。したがって立命館大学でこれまで行われてきた各国大使による連続講義や全国知事連続講義のように予め新聞社等と連携した公開企画として設定されたものではない。あくまでも学内の受講生を対象に企画され、得がたい機会であることから希望する立命館大学生に対して事前申込みを受け付け、受講枠を拡大して開催されたものである。今回も会場をびっしりと埋めた受講生達は、真剣な眼差しで聞き入っていた。
なお、この企画は、授業の一環であり、一般に公開する講演会ではないことが事前に問合せのあったマスコミ数社に対して説明されていたが、キャンパスの一部に「来学阻止」「招聘弾劾」を叫び、自らの意見と異なる考え方を授業中のキャンパスでハンドマイクを持ち込むなどして妨害する小集団(学生証の提示がないため学内者・学外者は特定できない)が出現し、その取材を目的として入構した基本認識の一致がないままの一部報道機関によって、事実を正確に反映しない報道が問われる事態も発生した。このことは「自らの学び舎を破壊した悲しい歴史」を振り返り、「大学が真理を探究し、豊かな学びを実現する場として、生命・身体の安全、思想・信条の自由はもとより、安心して学ぶことのできる環境」でなければならないことを再確認させると共に「真実を報道する報道機関の使命」を損なわせないような正しい連携のあり方を大学に考えさせる機会となった。