5月24日(火)午後6時から、ウエスティン都ホテル京都で白川静先生の文化勲章授章を祝う会が開催された。開会にあたり発起人を代表して長田豊臣総長がご挨拶。さらに来賓を代表して白川先生の文学部時代の同僚である梅原猛京都市立芸術大学名誉教授、西川富雄立命館大学名誉教授が,土日を含め毎日深夜まで研究室に籠もって研究を進めてこられた白川先生を訪ねられた際、先生が振舞われるお茶と羊羹のエピソードにも触れて紹介された。吉村千佳子文学部事務長から花束が贈られた後、白川先生から謝辞が述べられた。先生は、「中学校以来夜間の学校で学んだ自分は在野の学校で在野の研究を続ける決意で学んできた。定年後3ヵ年を経て初めて自己の学問に本格的に取り組むため現在の自宅を構え、10年計画で『字統』、『字訓』、『字通』を次々と発刊したことによって評価されたが、まだまだ仕事半ばである。戦後50年、わが国の文教政策は、『当用漢字表』の規制により、文化の土壌を失った。自分は文字学者、漢字学者と呼ばれるが、それは本意ではなく、漢字の理解を通じて東洋の安定した社会、漢字文化圏が回復され、東洋の精神的連帯が回復されることを願うものである。」と述べられた。このあと木村一信文学部長のご発声で乾杯し懇親を深めた。会場には、学園執行部のほか岩井忠熊、日下雅義、瀬原義生、永原誠、山尾幸久、古寺雅男、福田晃ほか多数の退職された先生方も参加され、白川先生のご長女津崎史さんから語られる日常の先生のお姿にも耳を傾けた。懇親の最後には参加者全員で学園歌を斉唱。閉会の挨拶に立った川本八郎理事長と共にあらためて立命館の研究を飛躍的に高めるべく推進する決意を固めあった。なお、当日には、末川記念会館に開設されることとなった長田総長が所長を務める白川静記念文字文化研究所の開所式も行われた。同研究所の事務は研究部の支援を得つつ教育文化事業推進部が所管する。 | |
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