10月29日(金)の閣議で、白川静名誉教授(S18文)が文化勲章を受章することが決まった。受賞理由は、多年にわたる中国古代文化研究で卓越した業績をあげたこと、また漢字研究を通じて中国文化研究、東アジア研究の発展に顕著な功績があったとしている。 白川先生は、中国最古の文字資料である甲骨文の分析による「甲骨金文学論叢」を上梓、それにもとづき最古の漢字辞書として知られる「説文解字」の誤りを訂正した「説文新義」を刊行した。さらに漢字の形や意味の変遷を系統的に探求した「字統」、漢字の日本における受容をたどる「字訓」と漢和辞典「字通」へと続いた。とりわけ高く評価されるのは、これらの大作をほとんど独力で完成し、厳密な科学的手法と中国のみならず東アジアの古代文化全体を見通す広い視点から、通説の誤謬に対する厳密な批判が貫かれている点にある。白川先生は、1943(昭和18)年に法文学部漢文学科を卒業、1954(昭和29)年から1976(昭和51)年まで本学で教鞭をとり1981年(昭和56)年に本学名誉教授、1998(平成10)年に文化功労者、1999(平成11)年に勲二等瑞宝章を受賞されている。 写真は、10月28日内示をふまえ長田総長と | |
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