「1823年、イギリスのラグビー校でサッカーをしていたエリス少年が、興奮のあまり思わず手を使ったことにラグビーが始まる」という「エリス伝説」。しかし、「当時サッカーという競技は存在しておらず、それ以前にも手を使った団体球技は存在していた。この伝説はラグビー・ユニオンが台頭するラグビー・リーグに危機感を感じた20世紀初頭に捏造したものという意見が優勢である。」と第1章でラグビーの起源を説明するところから始まる本書は、社会人となって以降もオーストラリア、イギリスで競技活動を行った経営学部校友、杉谷健一郎さんが、昨今のラグビー人気の凋落と競技人口の減少、その原因のひとつとしてのW杯1勝15敗に鑑み、日本ラグビーのステークホルダーがラグビーの歴史を知り、その本質を理解することなしに競技に対する意識をより高いレベルに上げることはできないと日本ラグビーの振興を心から願って書き上げられたもの。ラグビーファンのみならずとも必読の書である。 「文芸社」から本体1400円+税 | |
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