2月16日(土)午後1時30分から、京田辺立命館クラブが、 京田辺市の北部住民センター「とうちく」で年次総会、さらに 一般公開"立命館フォーラム"「21世紀日本はどこへ行く」 を開催した(参加者数66名)。 京田辺立命館クラブは、昭和32年に会員数33名でスタート した地域校友会、現在は久村哲市長(昭和32法)をはじめ、同 市在住の約600名の校友で構成されている。 総会では、前川宗克会長の開会挨拶に続いて、北村和夫副会長 の司会で役員改選を行い、新会長に岡山稔氏(昭和36文)を選 出、議事を終了した。続いて志垣会本部事務局長・校友課長が 学園ならびに他地区校友会の近況について報告した。 "立命館フォーラム"の開会にあたっては、校友である久村哲 市長からご挨拶を頂戴した。 今回の講師には、この企画を立案した後に体調を崩された恩師 西川富雄名誉教授(昭和32法)の代役として、急遽そのテーマ を引き継がれた松山壽一氏(文学研究科博士課程修了:大阪学 院大学教授、ドイツ博物館科学史研究所客員研究員)が登場。 敗戦後日本の復興におけるアンバランスな経済発展、教養教育 を放棄したモラルと知性の解体についてドイツのそれとの比較 のもとに講演を行い、アラスカ、ハワイに次ぐ、合衆国第51 番目の州への属国化と日本沈没への憂慮について "moneyが踊りMORALが廃る"と指摘する基調講演を行った。 これを受けて4人のコメンテーターがそれぞれ発言を行った。 岡山稔氏(昭和36文)は、各国の教育改革の歴史と現状を概 括して現在の教育改革を受けとめる現場の課題を語ったうえで オーストラリアの多文化、多言語主義の展開について語った。 北村豪氏(昭和61経:JTB京都支店営業課長)は、同時テ ロ後の海外旅行自粛など、付和雷同、自己責任回避の日本人の 特質を批判しつつ、観光産業からツーリズムへ変化しつつある 旅行スタイルに着目し、各国民・民族が自らの文化にプライド をもち実質的な会話をすすめる場を拡大することこそが平和の 創造であること、それを促進する平和産業としての旅行業で働 くことに自負をもち全力を尽くすと述べた。 また、山岡勝氏(平成12理院:松下電器光ディスク開発センタ ー開発グループ)は、コンピュータ産業やバイオ産業の根幹を アメリカ政府や企業が握ったまま、製造大国としての中国の位 置と役割に世界の注目が集まり、ISOなどの世界標準が依然 欧州を規範として設定されている中にあっても、エレクトロニ クス分野における日本の技術力はなお抜群である。常に新しい 夢をもち、それを実現して行くことが日本を発展させてきた。 高齢者の増加は、体力の時代からスキルの時代に、技術力から 発想に価値が移行しつつある現状では、むしろ戦力UPと受け 止めるべき。そして、高齢者に負けない若者の力があいまって 日本の復活が実現していくと語った。 さらに中学校で非常勤講師をしながら、非営利国際教育団体で 活躍する田中美奈氏(平成11法:精華中学講師)は、自らの存 在とその周囲との関係の確認、コミュニケーションの方法さえ、 同一とは限らず常に多様性をもつ。島国日本で常に多数者の中 で生きてきた経験しかない自らを再確認し、相手の存在を認め、 その側に立った視点を受け止めようと努力するそれぞれの視点 「ぐろーばりぜーしょん」を教室での実践に即して語った。 なお、司会は、元KBS京都放送㈱アナウンサー川瀬直美氏 (昭和39文)と南陽高校教諭の時岡やちよ氏(昭和52文)が務 めた。 | |
|