2010年1月20日(水)、元内閣総理大臣で現在APU孔子学院顧問の村山 富市氏を迎え、学生とのディスカッションをAPUキャンパスで行った。当日は、教室から溢れんばかりの学生が参加し、日本の戦争責任や歴史認識、また今後の日本と世界の関係など、いわゆる村山談話をもとに白熱した意見交換がされた。
ディスカッションの冒頭、村山顧問は当時の時代背景を"日韓、日中、双方で条約を取り交わし、国内では国家間の保障には区切りをつけているとの認識だったが、従軍慰安婦問題や強制労働問題など個人を対象とした保障については解決していなかった"とし「日本の戦争についての見解を明確にし、これからの日本の進むべき方向をしっかりと明示する必要があると考えた」と"村山談話"に至った経緯について説明。また、日中韓の歴史認識の違いについて「歴史認識についての一致は難しいが、何が違うのか、なぜ違うのかを相互に理解するが必要だ」と述べた。
学生の質問に答える形式のディスカッションでは、"首相の靖国神社公式参拝"、"日中関係"、"政治家による歴史評価の必要性"など、学生は積極的に挙手し質問がなされた。村山顧問は"日中関係"について「日本と中国は、歴史的にも古くから交流を持ち、現在も経済、人の往来など活発で、日本の発展のためにも日中関係は無視できない」と話し、「政治家は歴史の解釈に責任を負うべきであり、解釈を誤れば政策も誤ることになる」と政治家の歴史解釈について自身の見解を語った。
最後に村山顧問は「自国の繁栄には隣国の繁栄が必要です。広い視野で物事を考える姿勢で、アジア全体が相互に助け合っていくという目標に向かってがんばって下さい」とAPU学生にエールを贈り、満場の拍手に送られ、教室をあとにしました。
当日の詳細や対談風景はこちら。
http://www.apu.ac.jp/home/modules/news/article.php?storyid=1587