7月25日(日)17時より、岡山市アークホテル岡山において、平成22年度岡山県校友会総会が開催された。同日は15時の気温が37.8℃を記録する酷暑であったが、県内はもとより京阪神からも岡山出身または縁のある校友が駆け付け、総勢160名を超える参加者による大総会となった。
会長はじめ事務局メンバーが受付前でにこやかに迎えるなか、開始時刻の1時間程前から次々と校友が来場。懇親会で披露予定のマンドリン生演奏が急遽実施されるなど、事務局による機転の利いた運営が早速目立つ。参加予定者のほぼ全員が揃ったところで、山陽放送人事部長で元アナウンサーの太田雅仁さん(S53法)の司会により会は定刻にスタート。
総会に先立ち、坂本和一立命館大学名誉教授・立命館アジア太平洋大学初代学長による記念講演が行われた。演題は『1980年以降この30年:立命館の発展と変貌』。国際関係学部開設、BKC開設、APU開学など、この間の学園のダイナミックな変化・成長を、立命館副総長として最前線で牽引した坂本名誉教授による約50分の講演には、所々貴重なエピソードが交えられていたこともあって、参加者は皆大変熱心に聴き入っており、「1990年代は社会的には『失われた10年であった』が、立命館にとっては『実り多き10年であった』」との言葉に、多くの校友が感銘を受けていた。
参加者による盛大な拍手をもって坂本名誉教授の講演が終了したところで、守屋博司会長(S45産)が登壇。あらためて総会開会を宣言すると同時に、「校友会は、同窓の縁を基軸にあらゆる世代の校友が集い、コミュニケーションを取り、相互に刺激を受け成長する場であると思う。今日は事務局や「平成会」のメンバーの努力もあって、女性校友が15名、平成卒業校友が55名集った。ぜひ、楽しく元気に懇親しよう!」と力強い挨拶を行った。
続いて太田眞広事務局長(S48理)が事業報告ならびに会計報告を行い、同会単独または他大学OB会との懇親ゴルフコンペの開催、在学生父母懇談会での就職相談コーナーの開設など、従前より実施している活動のほか、6月に行われた本学ホームカミングデーに『(ご当地B級グルメ)岡山ホルモンうどん』の出店を行ったこと、また昨年発足した「平成会」主催で6月に新人歓迎会を初めて実施し15名の新卒校友の参加があったことなど、今回新規に取り組んだ活動の状況が報告された。
来賓祝辞は2名が登壇。進行の関係上、タイトな時間設定での挨拶となったが、大学を代表して挨拶を行った國廣敏文立命館常務理事は、参集校友数の多さに圧倒され感服したと告げた上で、『生涯立命』という國廣常務自身の造語を披露し、「立命館校友の皆様には学生時代の学びだけではなく、卒業後も校友会の活動・交流を通じて様々な経験・知見を得て、実り多き人生を送っていただきたい」とエールを送り、続いて登壇した渡邉申孝校友会本部副会長は、前日に出席した愛媛県校友会総会でも大変盛んな交流があったことを紹介したうえで「岡山・愛媛では若手や女性校友の参加が大変多いことを大変羨ましく思うし、また大きな刺激を受けた。地元(渡邉副会長は奈良県会長を務める)での活動の参考とさせていただきたい」との賛辞を送り、それぞれ会場を大いに沸かせた。
その後シームレスに懇親会に移行したところで司会者が交代。司会台に登場したのは、RBC出身で現在は中国銀行勤務の冨谷幸孝さん(H13産)、今春卒業で現在岡山県警本部勤務の木村宏美さん(H22法)の2人。フレッシュな若手の登場に思わず「おおっ」とのどよめきが起こるが、2人ともに「涼しい顔」。抜群の安定感でつつがなく進行し、龍門功相談役(S40理)の乾杯の発声で開宴となった。
会場内に15セット設置されたテーブルでは、すぐさま活発な交流が開始される。横に長方形の会場、縦に3列セットされたテーブルの中央列が「平成会」ベルト地帯。前後の先輩校友と同様あるいはそれ以上活発に懇親する風景が見受けられた。
事務局によると、会場ホテルが繁忙でない曜日・時間帯を敢えて選ぶことにより、料飲条件等の充実を図っているとのことで、テーブル上の回転卓には所狭しと料理が並び、会費(7,000円:年会費1,000円含む/女性と平成11年以降卒業の校友は5,000円)に見合うバリューが提供されていた。
ステージ上では、再びマンドリン演奏が始まる。奏者は倉敷市を拠点に広範に活動する伊丹典子さん(S57文:同県校友会「女性の会」理事)。日本の叙情的なスタンダードをはじめ、クラシカルな楽器であるマンドリンのイメージを良い意味で大きく裏切り、リズムセクション(シンセサイザーによる自動演奏)を加えたダンサブルなヒットナンバーも披露され、懇親会の雰囲気に鮮やかな彩りを添えた。
テーブル内に留まらず、会場内のあちらこちらでの交流が見受けられるようになった中盤、ホームカミングデー当日、守屋会長と共にホルモンうどんを販売した七宮隆副会長(S52産)と大森正義「平成会」会長(H1経)がステージに登壇。七宮副会長からは当日、七転八倒しつつ販売に奮闘した様子や、見事400食を完売したことの報告、大森会長からは今回の総会に55名もの参加者があったことを軸に、今後「平成会」の活動を大きく展開させていきたいとの抱負が表明され、それぞれに会場から大きな拍手が送られた。
続いては、新卒校友の自己紹介コーナー。スケジュール等の関係で同日参加したのは5名であったが、150名を超える先輩校友諸氏を前に、全員エナジー溢れる堂々とした挨拶を行い、トリを務めた司会木村さんによる「皆さん、飲酒運転は厳禁です!」とのスピーチに会場内は大爆笑となった。
同県校友会相談役の古矢博通岡山県副知事(S46法)、顧問の桑山博之前津山市長(S38法)のスピーチを経て、廣江夕佳理事務局長(S48産:同県校友会は前出の太田氏と廣江氏のダブル事務局長体制)が司会台へ。
サプライズ企画として、本学アメリカンフットボール部パンサーズ全国一奪回を祈念した『盆回し(カンパ)』の実施を宣言し、2枚の『盆』が会場左右に散った。当日は校友会本部事務局より古橋由一郎社会連携課課長補佐が偶然参加しており、更に伏線として、坂本名誉教授の講演や國廣常務理事の挨拶の中でも、「直近の戦績で校友の皆さんに『日本一』を紹介したい」と発破がかけられていたこともあり、盆には四方八方より手が差し伸べられる。
いつしか『盆』は3枚となり、総額72,740円に達するカンパが集まった。これには古橋課長補佐も感激し、自らがヘッドコーチ時代直接指導した前田孝広さん(H15経)竹内悟市さん(H18経)の2名と共にステージに上がり、丁重に、かつ熱意をもって、会場全体の厚意に対して謝意を述べた。
会の最後はお約束、会場一丸となっての校歌・応援歌。大人数にも関わらず、瞬く間(「躊躇なく」で全国最速と思われる程)に会場全体に人垣が組みあがる。エールは恒例で太田事務局長が務めるが、「自分も還暦を迎えたので、この役割もそろそろ後進に譲りたい」と吐露しつつも、秀麗なバリトンが壮大な声量(マイク無し)をもって会場内に響き渡る。CD演奏の場合、シンクロが大変難しい演奏前の前口上も、京響の生演奏か!と錯覚するほどのタイミングで決まり、ある種の神々しさをもった校歌斉唱となった。続いての応援歌『グレーター立命』も、岡山県校友のなみなみと溢れる力が大いに示される迫力ある大合唱となった。
会の最後は森谷庸雄相談役(S33法)が登壇。自らが同年卒業の校友と永年にわたって交流を続けている逸話を披露し、「本日参集の校友は、自分自身でも努力工夫して、大いに同窓の縁の結節を築き上げていってほしい」と述べ、中締めの挨拶とした。
引き続き場所を変えて開催された二次会にも30名近くの校友が参加。懇親会で挨拶・懇談しきれなかった校友同志による活発な交流が続いた。
今回、校友会本部事務局からは古橋に加え、前田秀敏社会連携部担当次長、野村慶人校友・父母課員の合計3名が参加した。