11月19日(土)17時より、リーガロイヤルホテル小倉において、第29回北九州校友会総会が開催された。同会は今年で創立40周年を迎える。今回の記念総会には、地元の校友にくわえ隣接する大分県からの6名はじめ九州沖縄ブロックより代表や、同志社、関大、関学など各支部からの来賓など、総勢132名が参加した。
第一部は総会。中島禎一副会長(S57/1982産)の司会進行のもと、校歌斉唱、黙祷を経て奥野照章会長(S41/1966法)が登壇。奥野会長は、昭和46(1971)年の同会設立に自らも深く関ったことに触れつつ、今回をもって勇退することを発表。「40年前と校友会の風景も激変した。私の在任期間は1期2年と極めて短いが、その間福岡での校友大会開催があり、それに伴い若手や女性校友の力が組織的に結集されたことや、実行委員会での取り組みにより、校友会本部・学園の戦略や挑戦の最前線に深く関ることができたことを大変光栄に感じている。後輩の皆さんには、若いパワーで活動を牽引し、この北九州の活動をさらに発展し高めてもらうことを強く期待したい」と述べ、会長挨拶とした。
その後、奥野会長を議長として事業報告・計画案、会計・監査報告に移り、初村雅敬幹事長(S53/1978経済)などが、日頃よりコンスタントに行事・企画等を積み重ね、全国屈指の高密度を誇る同校友会の活動状況について報告を行った。(同会の活動状況については添付資料参照)
最終議題は役員改選。今回勇退する奥野会長の後任に藤田卓也現副会長(S54/1979経済)、また副会長に中西あきさん(S60/1985文)ら3人、今回新設となる副幹事長職に田邊裕さん(H11/1999経営)ら3人が就くことが発表された。藤田新会長は全国に52ある都道府県級校友会の会長のなかで、卒業年次最若手※であるが、就任挨拶のなかで「若いといっても実年齢はすでに56歳。しかしながら、私を支えてくれる若い幹部たちのエネルギーを結集させながら、先輩方から引き継いできた良き伝統をさらに発展させたい」と力強く抱負を述べ、奥野会長に校友会より感謝状贈呈ののち、総会は閉会となった。
※ 卒年では同じく九州長崎県校友会の横山正人会長(S58/1983院理工)が最若手となるが横山会長の学部卒はS51年であるため、グロスで北九州藤田新会長が最若手となる。
第二部は講演会。本学校友で元五輪銀メダリストの武田美保さんを招き、「夢を追いかけて」の演題にて講演が行なわれた。三重県知事夫人としての公務の傍ら、全国での講演活動に多忙を極める武田さんは、同日も広島での講演を終えて小倉に駆け付けたことに触れつつも、自らとシンクロナイズドスイミングとの出会い、五輪選手を目指し幼少期より取り組んだシナリオとモチベーション形成の有り様、恩師井村雅代コーチや先輩選手達との厳しくも前向きな鍛錬などを、些かの疲れも見せず明るい近畿方言を用いて元気に語り、参加者に対して深い感銘を与えた。
全体での集合写真撮影をはさみ第三部懇親会は、北九州の誇る若手女性フリートより、田邊副幹事長、栗林奈津子幹事(H15/2003産社)が司会進行を担当。藤田新会長および副会長、幹事長、副幹事長が壇上に並び、開会の辞を述べつつ新体制発足を参加者に印象付け、本郷真紹立命館副総長、福元寅典校友会本部副会長・鹿児島県校友会長の来賓祝辞、平田純一立命館アジア太平洋大学(APU)副学長の乾杯発声にて宴をスタート。
程なくして、参加者2名による特別スピーチが始まった。お一人目は、大分県校友会幹事として参加の小出美沙都さん(H13/2001産社)。小出さんは、アーチェリー日本代表として1996年のアトランタ五輪に出場した経験を持ち、現在は別府市役所に勤務する傍ら、後進の指導を行いつつ自身も選手として活躍を続けている。同日は翌日日田市で行われる大会前の寸暇を利用して小倉に駆け付けた。武田美保さんと同じく女性校友かつ五輪アスリート、しかも同じ産社卒とあって、司会の栗林幹事はじめ産社校友(かつ同日参加の九州沖縄各校友会代表も半数が産社)が目に見えて色めきたち、スピーチ後は武田・小出ご両人との記念撮影を希望する人々が列をなし、その後武田さんを囲んで女性校友全員がステージ上に集合しての写真撮影の場面では、校友諸氏がパパラッチの如くカメラ片手に集結しちょっとした混雑となった。
次いで登場したのは、今年10月に北九州地区はじめての地方銀行として誕生した北九州銀行より加藤敏雄頭取(S46/1971経営)はじめ16名の同行勤務校友が勢揃い。加藤頭取は、同銀行の親会社である山口銀行(現:㈱山口フィナンシャルグループ(YMFG)、加藤頭取は同グループの専務取締役を兼任)に立命館出身者として初めて入行し、現在はグループ全体で百数十名の校友が在籍するようになっていることを披露し大いに会場を沸かせた後、「北九州銀行は『この街とともに。あなたとともに』をタグラインとして掲げた。地域とともにそして校友の皆さんとともにある銀行でありたい」と挨拶し、参加者より万雷の拍手を受けた。
九州沖縄校友会代表の一言スピーチを経て、以前活発な交流懇親が続く。北九州校友会は、何事もクロスファンクショナルであることが活動の原則。総会についても、藤井俊秀副会長(S42/1967経済)を委員長として実行委員会を組織し、およそ半年前から打ち合わせを重ね、当日の準備にあたった。
会場後方では、中野亨子幹事(H8/1996産)、柴田沙良幹事(H17/2005文)篠原元樹副幹事長(H9/1997理工)らが、グッズ販売を担当。篠原副幹事長自らが製作した北九州校友会オリジナルグッズ(ソファー用の布を活用した泡盛バックやランチョンマット、コースター等)、別府市在住で北九州と深い関りのあるAPU1期生バルティー・アフジャーさん提供のストール等が取り扱われ、経費を除いた売上金の過半が、校友会本部が実施する東日本大震災被災校友への義援金に供託されることになっている。
なお、泡盛は沖縄県校友会幹事の池間明子さんのご親族が宮古島で営む池間酒造の「太郎」。お酒といえばこの人と、もはや九州沖縄全域にその名を轟かせる坂本智恵子会計(H19/2007法)がいつの間にかボトルを手にし、参加者に盛んに試飲を勧める姿が見受けられるようになる。
北九州校友会は、同じく福岡県に属する福岡県校友会(主に宗像市以西以南が担当エリア)とも親密な関係を有し、同じ媒体で広報活動を展開することもあって、今回は二週間前に先行して開催された福岡県校友会総会と同会総会の「セット割」を導入した。今回が初回とあって告知が十分に進まず利用者こそ2名に留まったものの、制度自体は大変好評を博しており、今後の発展・継続が期待される。
同日は、福岡にて日本シリーズ第6戦が行われており、時折報告される試合結果に皆が一喜一憂するなか、福岡県校友会所属の校友を通じて提供されたソフトバンクホークス選手直筆サイン入りグッズのオークションが行われ、落札をめぐっての各種駆け引きに、会場全体の耳目が大いに集まった。(この売上金も一部経費を除いた額が義援金となる。)
瞬く間に時間が過ぎて迎えた大団円は、広島県校友会より元応援団・リーダ部長の名越陽介さんが、北九州校友会の熱いオファーによりはるばる来臨。前口上・演舞の一人二役を務め、応援歌斉唱をリード、引き続き名越部長は立命、同志社、関大、関学の各代表を壇上に招きいれ、各校へのエールを切った。名越部長の若々しくも伝統に裏打ちされた正調の演舞とエールに参加者は皆酔いしれ、儀式完了の後は盛大な拍手・歓声が沸き起こった。
そして平成二桁年代卒の若手が登壇、さらに自薦により坂本幹事が音頭とりを務めることになり、児玉國廣副会長(S42/1967経済)の直々に作法指導を受けた万歳三唱をリードし、会場より喝采を浴びた。
締めは、実行委員長たる藤井副会長が退任挨拶も兼ねて閉会の辞を述べる予定であったが、藤井副会長自ら中西副会長を突然に指名。大きな拍手のなか登壇した中西副会長は、初めて参加したのがちょうど20年前の記念総会であったことに触れつつ「女性参加は私一人だけで、正直に次回は無い(もう行かない)と思った。でも当時高藤昌和会長(S31/1956経済:現顧問)はじめ諸先輩がとても良くしてくださり、せめて総会だけは参加と思って継続するうち、女性や若手の参加促進を任され無我夢中で頑張って現在に至った。少しは先輩方の期待に応えられただろうか」と声を詰まらせつつも、続けて「今、北九州は全国で一番女性が活躍する校友会となっていることを誇りに思い、これからもより一層邁進していきたい」と述べ、会場が割れんばかりの大拍手を浴びつつ降壇し、同会は盛会裏にお開きとなった。藤井副会長には、同輩諸氏より「最後に一番の大仕事をこなした」との賞賛の声が多数寄せられていた。
なお同日、北九州校友会総会開催に先立って15時より、九州沖縄9校友会より代表者ら30名が出席し「ブロック会議」が開催された。これは九州地区(昨年より沖縄県も正式加入)の各校友会が自発的に開始したもので今回が26回目。奥野北九州会長を進行役に、熊本県校友会の新事業取組事例、本部連絡、次回会議開催地等について協議・意見交換等を行なった。次年度(2012年)は、11月17日大分県校友会総会にあわせて同会議が開催される。
今回の北九州校友会総会、ブロック会議には、校友会本部より縄本敏事務局長、野村慶人校友・父母課員が参加した。
※今回の総会で配布された記念冊子より、「行事報告」、ベテラン校友による座談会「北九州校友会設立40周年を降り返って」、若手女性校友による「これからの北九州校友会」についてのページを抜粋しました。密度ある北九州校友会活動の一端を是非ご確認ください。