10月27日(日)福井商工会議所コンベンションホールにて、福井県校友会が「校友の集い」を開催した。
第1部の総会は、松枝隆一氏('91法)が司会進行。開催にあたり品谷義雄会長('73法)が挨拶を行った。その後、橘誠一幹事長('76経営)の事業報告、峠岡伸行氏('84経済)の会計報告、広田一雄氏('76経済)の会計監査報告と続いた。その後、役員改選が発議され、福井県校友会会長が品谷義雄氏から、長年副会長として活躍してこられた古村隆一氏('58文)への交代が拍手をもって承認された。
第2部は「歴史経路で辿る福井経済」と題して、福井県立大学地域経済研究所の南保勝教授('78産社)による講演会が開催された。講演は、近世以降の経済史に軸足を置き、江戸時代における北前船による日本海沿岸における流通革命の影響と福井における主要生産物の変化、逸早い海外交易の発展などの福井を取巻く歴史的背景を概観しつつ、当時全国的な和釘の生産拠点であったことなどの金属加工技術の発展の様子から、農業圏と捉えられがちな県の産業史観について、実は工業圏としての発展に注目する事が妥当であるとの新しい見方を示されるものであった。また、現在の福井の経済力は国内の0.6%程度であるが、当時は全国の2.1%を占めるものであり、この点について現在の福井県民は誇りに想うべきだとの持論を展開された。最後に「我々は文明の発展を“文化化”しないといけない。」という現代社会の我々に課せられた命題を提起され、かつて時代の移り変わる社会情勢のなか、福井の人々は自らの地域社会を見事に時代に適応させ、社会に貢献する産業を今日まで発展させてきた、今後もその精神を忘れてはならない、という趣旨のお話で講演は幕を閉じた。福井人としてのプライドを持とう、というメッセージに会場からは大きな拍手が沸き起こった。
続いての懇親会では引き続き松枝氏が司会進行を担当された。主催者を代表して、第1部の総会で新たに会長に就任された古村隆一新会長より挨拶があり、来賓挨拶となった。まず、西川幸雄 学校法人立命館常務理事より直近の立命館大学の情勢について報告があった後、福井県出身の故・白川静名誉教授との仕事上でのやりとりのエピソードを紹介された。続いて福元寅典 立命館大学校友会副会長が登壇し、校友会未来人財育成基金への協力への感謝を伝えつつ、より校友同士の絆を深めて母校に恩返しをしていくという校友会活動の重要性についてあらためてお話され、最後は「チェスト行け!」の掛け声で会場を沸かせた。来賓紹介では、同じ北陸エリアの石川県・富山県の役員が紹介された。そして、今回の総会で交代となった品谷義雄前会長への感謝状・記念品の贈呈が行われた。
懇親会は、西村和也 石川県校友会会長の乾杯発声によりスタート。和やかな雰囲気の中、会員相互の交流が進んだ。会の途中では、今年9月に文部科学大臣賞に輝き、会場の「立命館大学福井県校友の集い」の横断幕を筆耕された、書道の大家である腰田宜行氏('56法)が紹介された。また、初めて参加した若手校友の紹介と挨拶が行われ、会場から拍手が贈られた。紹介の後、今年行われた福井国体での校友ならびに現役学生の活躍について報告された。
最後は、学園歌の後、参加者全員が大きな輪をつくり、元応援団の山本慎也氏('10法)のリードによって応援歌が斉唱され、古河秀一郎 富山県校友会副会長の万歳三唱をもって中締めとなった。
なお、懇親会中は、校友会設立100周年記念ロゴのミニフラッグによる撮影も行われた。