9月21日(金)から22日(土)にかけて、衣笠キャンパスにて校友会未来人財育成奨学金(海外留学支援)を活用した短期海外留学プログラム「グローバル・フィールドワーク・プロジェクト(ベトナムコース)」の事後研修合宿が開催された。この留学プログラムは、渡航先であるホーチミンで約1週間を過ごす間、現地のホーチミン市人文社会科学大学の学生バディとともに、事前に設定した研究テーマに基づいてフィールドワークを行い、各種調査を行うものだ。制度が始まって2年目の今年は、55名の参加があった。フィールドワークは2~3名の小グループになって行われ、「食文化」「旅行者意識」「歴史」「環境意識」など独自に設定し、現地での滞在期間中に現地バディとともに調査を進め、帰国後この事後研修合宿で調査結果をプレゼンテーションにまとめて完結する。学生はこの2日間、衣笠キャンパスのセミナーハウス(西園寺記念館)に泊まり込み、夜を徹してプレゼンテーションをまとめあげる。言語は資料、発表スライドから全て英語で準備しなければならない。しかも、個人ではなく、文系・社系・理系などの学部、回生、性別など一切関係なく編成されたグループで発表に臨まないといけない点が、このプログラムの魅力であり、学生にとって多様性の中でいかに自分が貢献していくかを学べるひとつのきっかけとなっている。
2日目の9月22日(土)午後、衣笠キャンパスの敬学館で最終発表のプレゼンテーションが行われた。フィールドワークの結果は、事前学習で設定したテーマ・仮説が現地での調査を経て、ある程度予想した結果になった、あるいはまったく違うものになったなど、各グループによって結果は様々であった。また、プログラムを通じて「言語よりもコミュニケーションをとろうとする積極的な姿勢が大切」「でも拙い英語だと会話が持たない」など学生バディをはじめとした現地の人とのコミュニケーションの中で、自身のコミュニケーション能力に課題認識をもった学生が多かった。また、「バイクの喧騒」「昼夜変わらずにエネルギッシュな街」「路上生活者の貧困」「都市部のゴミや空気」「郊外に残る自然」「発展途上国と思っていたが一部では日本よりも発展しているのでは?」「日本はもっと海外に学ぶべき」など普段生活をする日本と対比させ、現在の成長著しいベトナムについて様々に感想が共有されていった。そして、プログラムへの参加動機として、費用面での参加しやすさが気持ちを後押ししたと述べる学生が大変多く、発表の最後に校友会の支援に対する感謝などが述べられ、このプログラムの最後を締めくった学生が製作したエンドロール動画ではSpecial Thanks(心からの感謝)として校友会の名前が入れられていた。
会場には、校友会未来人財育成基金募集推進特別委員会の初村雅敬副委員長、大阪校友会副幹事長でRFSの古角博子さんが出席。最終発表の後に講評を行い、この経験を次の学びにつなげて欲しいという激励の言葉と、卒業後はぜひ後輩学生を支援する側にまわりこの循環型の支援文化の担い手になって欲しいと、未来の校友への期待が伝えられた。