2015年11月22日(日)・23日(月・祝)に「2015年度立命館大学校友会 復興支援事業 東北応援ツアー 岩手県コース」が実施され、全国から17名の校友と岩手県校友12名が参加した。
東日本大震災復興支援特別委員会からは今中智幸委員(’94・法)小野寺正耕委員(’96・経済)が参加し、両委員はツアーコーディネーターを務めた。
【1日目】
1日目は「観光して復興支援」をテーマに「遠野伝承園」を訪問した。
遠野地方のかつての農家の生活様式を再現している伝承園を見学したり、河童が現れると伝説のある「河童渕」を散策し、参加者たちはその昔懐かしい雰囲気を堪能した。
次に釜石市内へ移動し「東日本大震災を学ぶ」をテーマに、釜石駅発の「震災学習列車」に乗り込んだ。
「震災学習列車」では車窓から東日本大震災による津波で大きな被害を受けた三陸の沿岸地区を見学し、三陸鉄道の社員の方から当時の状況などの案内があった。震災発生時の詳しい状況や、津波のその恐ろしさを学び、被災地が一望できる駅では一旦停止し、参加者全員で黙祷を捧げた。震災発生前の街並の写真と、津波で流され更地となり、現在はかさ上げ工事が行なわれている沿岸地区の状況に、参加者達は東日本大震災、津波が与えた被害について深く考えている様子だった。
「震災学習列車」は盛駅下車し、そこから一行は宿舎の「キャピタルホテル1000」に移動し勉強会を行った。
勉強会は岩手県校友会の菊池宏会長(’ 65文)の挨拶で始まった。
勉強会では岩手県大船渡市在住の校友の水野雅之亮さん(’65・経営)と金野良一さん(’81・文)、釜石市在住の校友の佐野美徳さん(’78・理工)、陸前高田市在住の校友の鈴木正彦さん(’71・経済)からそれぞれ震災に関するお話があった。
津波が及ぼした被害の大きさ、そして震災当時の状況の凄惨さに参加者達は言葉を失っている様子で、講演者の話に深く聞き入っていた。
勉強会の終了後、会場を移して交流会が開かれ、岩手県校友会の下村泰雄会長の乾杯の発声で会は始まった。
懇親会では、元日本代表で海外のリーグを経験し、現在は日本で活躍中のサッカー選手、松井大輔さんから寄付されたTシャツが配布され、「東北応援ツアー」の趣旨に賛同した松井選手のご家族から、このTシャツの寄付の申し出があった経緯や松井さんの被災地に寄せる思いなどが説明された。
また岩手県校友から、地元のお酒の差し入れがあり、卒業年・卒業学部、在住地などの枠を越えて参加者は大いに懇親を深めた。最後に大橋謙一副会長(’71・産社)の閉会の言葉で、盛況のうちにお開きとなった。
【2日目】
2日目は陸前高田市にある「奇跡の一本松」をバスガイドの説明で車窓から見学したあと、「観光して復興支援」をテーマに、2011年に世界遺産に登録された平泉の中尊寺を訪問した。
校友で平泉町役場の小野寺復興支援特別委員から事前に平泉の説明があり、平泉の楽しみ方、中尊寺について説明がされ、参加者たちはその情報をもとに、仏閣の散策を楽しんだ。
東北応援ツアー岩手県コースに参加した校友たちからは「現地を訪れるまで、メディアを通して被災地のことを知っているつもりになっていたが、今回のツアーで実際に岩手県を訪問して、震災の傷跡がまだまだ残っていることを知った。震災を風化させてはいけないと思った。岩手県の方たちから『見て、買って、観光する』ことも復興支援に繋がると教えてもらった。自分にもできる復興支援の輪を地元に帰って広めていきたい」と感想が寄せられ、東北応援ツアー岩手県コースは好評のうちに終了した。
なお、校友会事務局(校友・父母課)からは曽谷直樹課長補佐、古石章子課員が参加した。