3月11日(木)、立命館大学びわこ・くさつキャンパス(BKC)において、2009年度「渡辺三彦発明賞」授与式を開催した。この賞は、本学のOBで、渡辺国際特許事務所長である渡辺三彦弁理士により、2000年度に設立された賞で、優れた発明に対して表彰を行い、立命館大学に貢献する発明創出の奨励を目的としている。
初めに川口清史・立命館総長が挨拶を行い、設立10周年の祝辞を述べた。続いて審査委員長である飯田健夫・立命館副総長が挨拶を行い、賞の概要や審査基準等についての説明を行った。また、この賞を通じて特許への関心が高まることへの期待を寄せた。その後、表彰ならびに各受賞者による発明の紹介を行った。
今年度の受賞者は、次の通りであった。
・「渡辺三彦賞」
久保幹・生命科学部生物工学科教授
深川良一・理工学部都市システム工学科教授
松宮芳樹・生命科学部生物工学科助教
久保田謙三・生命科学部生物工学科助手 (共同受賞)
・「優秀賞」
谷口忠大・情報理工学部知能情報学科助教
久保教授らは「新規土壌診断方法」で受賞。「新規土壌診断方法」とは、農地土壌において窒素、リン酸、カリウム等の栄養物質の変換・循環に重要な役割を果たしている微生物の物質循環・変換活性を評価し、土壌を診断するものである。既往の方法では農作物の栽培に適した土壌環境か、改善が必要な土壌なのかを判断できなかったが、本技術は既往の分析技術と微生物による物質循環・変換活性の評価技術を組み合わせることにより、バイオレメディエーションに伴う土壌環境の新規診断技術を開発した。また、久保教授は2000年にも「渡辺三彦賞」を受賞しており、今回で2度目の受賞となった。
谷口助教は「電力取引管理システム、管理装置、電力取引方法、及び電力取引用コンピュータプログラム」で受賞。このプログラムは、発電・電力消費拠点で自動的に電力を融通しあう電力取引管理システム。システム内の人工知能が電池残量や市場動向を監視しつつ、これまでの経験に基づき適切な取引条件を見出す。これにより、電力ロスが削減され、地域固有の発電・消費事情に合わせた効率的電力利用が可能になる。
式の終わりに、渡辺三彦氏から今後の本学における研究への期待が述べられ、中谷吉彦・研究部長から、本賞設置に対する謝辞が述べられ、授与式を終えた。
当日の写真はこちら。
http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/5432/date/3/year/2010