2012年4月21日(土)15時から、立命館大学衣笠キャンパス創思館カンファレンスルームにおいて、「立命館大学中華校友会設立総会」が校友138名、来賓40名、マスコミ8名の200名近い参加者が一同に会す中で開催された。この会は「中華」にルーツを持つ校友同士が、立命館で学んだ学縁を大きく育て、親睦を深めつつ、立命館大学の更なる発展と日中の民間交流に貢献することを目指して、今年の1月から設立準備委員会により準備が進められてきたものである。当日は中華校友会の役職者や来賓者を中心として100万円を超える中華校友会への寄付も行われ、会場の入口には寄付者の名前が続々と貼り出された。
第1部の設立総会は現在の立命館学園紹介ビデオと、校友である伍芳氏の古箏演奏のビデオの上映により幕が開き、総合司会の張文青立命館アジア太平洋大学講師により進行された。
まず、設立準備委員会の周瑋生委員長・政策科学部教授から立命館大学中華校友会の設立の経緯についての紹介があった後、第1号議案:規約、第2号議案:幹事・監事・顧問、第3号議案:初代会長等運営体制、についての説明と審議が行われ、全て満場の拍手による承認された。この結果をもって「立命館大学中華校友会」が無事に設立された。
第2部の設立祝賀会は、参加者全員による校歌斉唱で始まり、登壇した来賓代表と先ほど選出された中華校友会の役員が紹介された。続いて、文啓財中華校友会初代会長(1958年理工)が挨拶に立ち、「立命館大学中華校友会をこのように盛大に設立できることを大変嬉しく思う。立命館の教学理念である『平和と民主主義』につながる日中友好と世界平和を目指し、今後取り組んでいきたい。」と抱負を述べた。続いて、川口清史立命館総長が祝辞の中で、立命館と中国の大学が連携した先進的な取り組みが紹介すると共に、「グローバルな人材育成には中国との関係が重要である。中国との新たなつながりを構築し、立命館と日中友好の発展につなげたい。」と述べた。
他に多数の来賓から西村隆校友会副会長、于淑媛中華人民共和国駐大阪総領事館副総領事、太田昇京都府副知事が祝辞を述べ、また、門川大作京都市長の祝辞を川口伸太郎京都市総合企画局市民協働政策推進室大学政策課課長が代読した。加えて、鳩山由紀夫元内閣総理大臣・衆議院議員、程永華中華人民共和国駐日本国特命全権大使、川本八郎立命館顧問等から寄せられた多数の祝電が紹介された。
また、黄耀庭大信実業株式会社相談役が、ご尊父の黄萬居氏が所蔵していた中国の歴史や文化研究にとって大変貴重である数多くの漢籍及び国書を立命館大学中国文化専攻に寄贈した功績を表彰するために、本会にあわせて寄贈式と立命館大学中華校友会名誉会員証授与式が行われた。寄贈された書物は黄萬居氏が終戦後、友人援助のために高価で購入したもので、歴史的な意義も大きく、考量できないほどの収蔵価値がある。黄耀庭氏が体調不良のため、荘天輝神戸華僑幼稚園理事長が代理となり、芳村弘道立命館大学文学部副学部長との間で執り行われた。
まず、芳村副学部長より今回寄贈された書籍に関する説明があった後、芳村副学部長より目録と感謝状の贈呈、文啓財初代会長より立命館大学中華校友会名誉会員証が贈呈された。また、荘天輝氏が黄耀庭氏からの手紙を代読、黄萬居氏と黄耀庭氏の親子2代にわたる熱い想いと立命館へのメッセージが読み上げられると、会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。
その後、坂本和一立命館百年史編纂室顧問・立命館アジア太平洋大学初代学長による、「立命館の学園創造と中国・立命館の友好関係―この半世紀―」と題した記念講演会が行なわれた。現在に至るまでの立命館学園の軌跡と、その中における中国との交流の歴史について、写真も多く用いた臨場感溢れる説明がなされ、集まった参加者は熱心に聞き入っていた。第2部終了後には、参加者全員が登壇して笑顔で記念写真を撮影、第3部の記念懇親会会場である諒友館地下食堂に移動した。
第3部の記念懇親会は、華発城中華校友会副会長の挨拶で始まり、来賓から野中廣務元内閣官房長官・立命館大学客員教授、近藤昭一衆議院議員・前環境副大臣、白西紳一郎社団法人日中協会理事長、薛建隆中華校友会副会長・台湾校友会会長が挨拶を行った。続いての仲上健一政策科学部教授・元立命館アジア太平洋大学副学長より乾杯のご発声で歓談が始まった。
1950年代卒業の校友から現役学生まで、幅広い世代の中華にルーツのある校友・学生が始めて一堂に会する中、世代や業界を超えて親睦を深め、懐かしの母校で更に結束を強めていた。懇親会では、紹興酒も振舞われ、参加者はその豊かな味わいを堪能していた。
歓談の時間の中では、当日の準備・運営にも関った立命館大学中国人学友会からのパフォーマンスも行われた。代表の徐可さんから挨拶の後、色鮮やかな衣装に身を包んでの見事な身のこなしによる川劇変臉や、華麗な民族舞踊、また、男性3人による息のあった歌声の披露が行われ、会場からは盛大な拍手が送られた。
最後に再び参加者全員での記念写真が撮影された後、銭学鵬副会長・立命館アジア太平洋大学助教による挨拶が行われ、会は閉会となった。
なお、校友会本部事務局からは、田中康雄事務局長、村上吉胤副事務局長、大西克樹課員、舩尾優一課員の4名が参加した。