2月24日(水)朱雀キャンパスにおいて、第10回京都教育懇話会「現代社会とこころの変化~豊かなネットワークで次世代を育む~」が行われた。昨今の社会情勢の急激な変化に伴う子どもたちの心の変化、若者の社会的不適応やコミュニケーション不全も問題視される中、「こころ」という見えないものをどのように捉えればよいのかを考える機会として開催された。
永田和弘氏(京都市総合教育センター所長・京都学びの街生き方探究館事務局長)による挨拶し、「こころの問題が教育のなかでも重要視される中で、次世代の教育に何が求められているのかを議論していきたい」と今回の懇話会に対する期待を語った。
はじめに問題提起が行われ、吉川左紀子氏(京都大学こころの未来研究センター長・教授)が登壇。吉川氏は講演の中で、こころの未来研究センターの活動内容に触れながら社会の変化とともに変わってきた人と人との関わりの問題点を指摘した。
こうした問題提起をふまえて行われたパネルディスカッションでは吉川氏のコーディネートの下、桑原知子氏(京都大学大学院教育学研究科教授・臨床心理士)が学校現場での現状を踏まえつつ、こころという掴みどころのないものに学術的にどのようにアプローチするかを語り、浜崎伸也氏(オムロン経営資源革新本部人財センター人財開発部長)は自身の経験に基づいた話を展開、企業の視点からみたこころの問題の現状とその解決方法を提案し、多角的な議論が展開された。
パネルディスカッション後は質疑応答が行われ、教職課程を学ぶ学生や実際の教育現場で働く養護教諭から、こころの問題の具体的解決方法や評価に関する質問が寄せられた。詰め掛けた多くの来場者からの質問や意見が投げかけられたことで、議論はより深いものとなり、盛況のうちに幕を閉じた。
今回は、学生・懇話会会員を含め134人が参加した。
当日の様子はこちら。
http://www.ritsumei.jp/pickup/detail_j/topics/5345/date/2/year/2010