2017年1月28日(土)の正午より、ホテルライフォート札幌において「第20回北朋会」が開催された。当日は遠方から参加の方を含めて、校友・立命館学園関係者合わせて21名が集った。
第1部の総会は、岡田則之氏(‘86産)の進行で開会された。はじめに山根治彦会長(’81経営)より「慶祥高校誕生の翌年にこの会が設立され、20回を迎えることができた。高校教育を取りまく20年を振り返ると、97年の中教審にて文部大臣より<今後の地方教育行政の在り方について>諮問を受けたことから始まり、答申内容に基づき、それぞれの地域で教育委員会及び学校現場が協力しながら教育改革が進められたきた。特にこの10年間で教育を取り巻く環境が大きく変わってきており、これから更に変革期を迎えるものである。その中で、北朋会の意義は大きく、これまでの20年を振り返るも良し、今後の20年を考えるも良し、大いに盛り上がっていただきたい」との挨拶があった。続いて本郷真紹立命館理事補佐(文学部教授)が国立大学における入試改革について触れつつ、「今後の入試改革の動向を見据えて、入学後に個性を伸ばす教育も重視しながら、立命館も改革を進めていく必要がある。北朋会および北海道の先生方が貴重な情報源であるので、今後も積極的に同会に出席いただき、立命館の改革にご協力いただきたい」と挨拶した。
その後、議事に移り、会計報告が石井洋会計監査('84法)、監査報告が中村素木立命館慶祥教員(96年文)、2017年度役員改選提起が岡田則之事務局員(’86産)より行なわれ、全て拍手をもって承認された。役員改選により、7年ぶりに菊正敏顧問('76文)が北朋会会長に就任、山根治彦現会長は顧問へ新たに就任した。その後、菊正敏新会長より、山根前会長へ謝辞が述べられると共に、「慶祥高校で教鞭をとりながら、若い世代の育成に尽力している。現場で苦労することも多いが、北朋会の皆さんと情報交換し、一緒に若い世代を応援していきたい」と新会長就任挨拶を行った。
第2部懇親会は、川﨑昭治常務理事(一貫教育担当)の乾杯の発声で幕が開いた。続いて、高杉巴彦北星学園大学文学部教授(初代立命館慶祥中学・高校校長)より「これまでの20年の教育改革を振返る」とのテーマで講演会が開催された。現代の教育課題をどのように考えるかという問題提起がなされた後、ICT教育、アクティブラーニング等が教育の常識として進んでいる中、「慶祥中学高校においては10年以上前から、先見性を持って取り組んでいた。これからはAIの時代であり、多くの仕事がAIに奪われていく。現在ではなく未来に目を向け、AIでは持ち得ない、人と交渉、ぶつかることのできるコミュニケーション力、問題発見能力等を身につけさせることのできる教育を展開していく必要がある」との鋭い見解が示され、大変有意義な講演会となった。その後、テーブルを越えての懇親が進み、終盤では、「20年前の私」というテーマにより、播磨谷浩三立命館大学経営学部教授によるスピーチが行われ、他大学、他大学院卒業後に一般企業に就職され、母校ではない立命館で教鞭を取られるまでの異色の経歴が紹介され、会場は大いに盛り上がった。今また、校友会事務局からも「校友会活動の近況」や「未来人財育成基金」「100周年に向けた今後の全国校友大会」など、校友会活動についての報告があった。最後に、会長交代に伴い、山根治彦前会長より「北朋会に来ると立命魂が沸々と湧き上がってくる。これまで支えていただいた事務局方に感謝すると共に、今後の北朋会が北海道の高校教育を益々牽引されていくことを祈念いたしたい」と締めの挨拶が述べられた。
会が盛り上がりを見せる中で、菊正敏顧問、片桐清実('83文)のリードにより参加者全員で肩を組んでの校歌・応援歌の斉唱が行なわれた後、久野信之立命館慶祥中学・高等学校校長の乾杯をもってお開きとなった。
なお、校友会事務局からは、古澤秀晃校友・父母課員が参加した。