8月27日(土)17時から、フィガロ(熊本市)において立命館大学熊本県校友会が総会を開催した(参加者60名)。
前園絵吏氏(03産社)の司会進行で定刻通りに開会した総会は、冒頭、「平成28年熊本地震」で亡くなられた方々とこの一年間に逝去された物故校友に対し、参加者全員で黙祷を行った。続いて校歌を斉唱した後、隈部幸一会長(72年営)が開会の挨拶を行った。挨拶の中で隈部会長は、「4月の震災に始まり、6月には集中豪雨があるなど、今年の熊本は自然災害が非常に多い。しかし、暗い話が多い中、明るく嬉しい話もある。昨日は母校の吉田総長に同行させていただき、母校の学生・教職員が集めてくださった義援金を県知事にお渡しすることができた。また個人的には卒業後音信不通であった和歌山県在住の学友から、震災直後に支援の申し出の電話があり、不足し難儀していた水を求めたところ、2か月にわたり継続的に送付してくれた。その後直接会って感謝の気持ちを伝えようと和歌山へ行き、44年ぶりの再会を果たせた」とエピソードを披露。そして、それぞれが少なからず被災し、大変な中総会を開催できたことに触れ、「今次総会が未来につながる貴重な交流になれば」と思いを述べた。次に、学園を代表して吉田美喜夫総長(72年法)が挨拶に立ち、県と西原村に届けた学生・教職員および校友から募った義援金、教職員から給与天引きで集めた「復興+R基金」から被災学生に対して毎月5万円が支給される修学支援金、そして被災地である西原村を中心に学生ボランティアを送り込んでいること等、災害復興支援室を中心に立命館が発災以来取り組んできた復興支援活動を紹介された。とりわけ昨日訪問した西原村において、農家の方々から農作業を支援してくれた学生たちのおかげで今年もサツマイモの作付けが例年通りできたこと等感謝の言葉を贈られたことを挙げながら、「立命館の学生が復興支援の現場で活躍していることを実感できた。誇りに思う」と述べられた。その他キャンパスごとに教学、キャンパス創造状況を説明され、最後に「大学を取り巻く情勢は厳しいものがあるが、社会で活躍されている校友の皆さんの姿を励みと誇りに感じながら、引き続き頑張っていく」と括られた。次に校友会本部を代表して福元寅典副会長(72年経)が登壇。「熊本県校友会は、企画力とそれを運営する豊富な人材力で九州の校友会全体を牽引されてきた。熊本の復興は九州全体から見ても極めて重要なこと。可能な限りの支援をしていきたい」とエールを送った。そして「校友会未来人財育成基金」に関わり8月22日の日本経済新聞に村上健治校友会長の寄稿記事が掲載されたことに触れ、「メディアに評価されたこの取り組みを引き続き注力していこう」と呼びかけた。続いて今村正治・APU副学長(81年文)が、「グローバル化の進展に伴いAPUの存在価値は益々高まってきている。先日は日本経済新聞が行ったグローバル企業の人事担当者への調査でグローバル化が進んでいる大学部門でAPUが1位評価を受けた。またビジネススクールはAACSBの認証を受けた。学園全体のグローバル化を今後も牽引していきたい」と述べられるとともに、APUの学びの実態を記した書籍「混ぜる教育」(日経BP社)を紹介された。さらに東明館中学校・高等学校の慈道裕治理事長が、「発災後は、隣県の教育機関として、被災し勉強する環境が整わずに苦しんでいる受験生に対して寮の開放を呼びかけた。地域に支えられ存在している教育機関として対応すべきことを、速やかに判断し、実施する、これも『立命館魂』の一環であろうかと思う」と述べられ、最後に校友の子弟等を対象とした新たな入試戦略を紹介された。総会議事に入る前に全国の校友から校友会本部に届けられた義援金の贈呈式が行われ、福元副会長から隈部会長へ目録が贈られた。引き続き行われた総会議事では事業報告・決算報告等の議案を飯田俊之事務局長(82年産社)が説明し、全て承認され、懇親会へと移行した。
多田隈章氏(67年理工)の乾杯発声で開宴した懇親会は、APU校友会熊本チャプターのメンバーも合流し、世代、大学を超えた交流が展開された。会の最中には初参加の校友およびAPU校友会熊本チャプターのメンバーの自己紹介、そして恒例の大抽選会が行われた。先輩諸氏が当選しても受取を辞退され、若い校友や、女性校友に賞品がまわるようにとの後輩への優しい気遣いが行われるなど、爽やかな雰囲気の中、女性校友の名進行も相俟って大いに盛り上がった。そして飯田事務局長の発案で、「校友会未来人財育成基金」へのカンパが行われ、被災後の厳しい状況の中であるにも拘わらず、母校愛溢れる11万3千円が寄せられた。寄付は隈部会長から福元副会長に贈呈され、本部事務局長の大場も謝辞を述べた。
最後は恒例の応援歌「グレーター立命」を斉唱し、前園潮副会長(73年経)の挨拶で中締めとなった。