4月3日(日)11時30分から平安女学院において「出版」業界に関係する校友で構成される出版立命会が開催された(参加者42名)。
大垣守弘幹事長(82年経営)の司会進行に従い、はじめに山岡景一郎会長(53年経済)が開会の挨拶に立ち、会設立の経緯を交えながら、理事長・学長を務める平安女学院の新装Mホールにおける講演会と懇親会、そして有栖館(旧有栖川宮邸)における観桜会を通じて「大いに交流を行い、情報交換を」と呼びかけを行った。続いて来賓を代表して学校法人立命館名誉顧問の川本八郎氏(58年法)が、「国際的な共生の時代にあって、今後我々は人間的価値、国際的な信頼を益々高めていく必要がある。そのためには読書を通じて深い思考力、洞察力を身に付けなければならない。出版業に携わる皆さんの仕事は極めて重要である」と激励を込めた挨拶を行った。そして祝電披露を挟み、講演会となった。今回の講師は毎日新聞社京都支局にて記者をされている木下訓明氏(00年法)。記者を志す契機となった阪神淡路大震災のボランティア時に新聞の重要性を知ったエピソード、毎日新聞社に入社後の政治部記者時代、とりわけ総理番記者と自民党担当記者時代の話、そして琉球新報社への出向等の経験を通じて得た貴重な経験について実話をベースに分かりやすく解説された。最後に「媒体として紙がある限り活字は生き続ける。ネットニュース等ニューメディアが注目される時代ではあるが、原本は殆どが新聞等オールドメディアである。ネットニュースは自由に修正することができるが、新聞はそうはいかない。事実と違う記事を書けば訂正記事を掲載しなければならないし、大きな責任も伴う。そのような思いで提供している情報だからこそ、生き続けると確信している」と括られた。
講演終了後は、有栖館(旧有栖川宮邸)へ徒歩で移動。世界文化遺産である醍醐寺の枝垂れ桜の遺伝子を受け継いでいると言われている見事な枝垂れ桜や、庭師・小川治兵衛氏作庭の御庭などを拝観した。その後再びMホールに戻り、懇親会を催した。工藤恭孝副会長(72年法)の乾杯発声で開宴し、春爛漫の雰囲気の中、和やかな交流が展開された。森伊佐夫氏(04年文)の進行で参加者全員がショートスピーチを実施。激動の出版業界の状況、各自の思いなどを披露した。洞本昌男副会長(62年経済)の中締めの挨拶の後、会の準備運営役を担われた大垣幹事長が、昨日(4月2日)立命館大学父母教育後援会会長として参加された入学式において吉田美喜夫総長が「主体的に学ぶ習慣を身につける一環として大学での4年間は本を読まなければならない。入学以降の皆さんの合言葉として『今、どんな本を読んでいる』と相互に呼びかけ合い、読書習慣を身に付けていって欲しい」と述べられたことを紹介し、大学とも連携しながら今後も頑張っていこうという示唆を含めた挨拶を行った。そして最後に参加者全員で校歌を斉唱し、お開きとなった。
なお、校友会本部事務局からは事務局長の大場が参加した。