先に紹介をしました橘木俊詔『京都三大学 京大・同志社・立命館 東大・早慶への対抗』(岩波書店,2011)の目次をみることが概要を
はしがき
(……立命館は…貧乏ながらも向学心の強い学生の教育を行って人材を養成するという、「庶民の大学としてよい特色をもっていた。……)
第1章 なぜ第三高等学校、京都帝大が京都につくられたのか
1 第三高等学校
2 京都帝国大学
第2章 東京帝大に遠くおよばない京都帝大
1 京都帝大での教育・研究
2 法科卒業生の不振
3 京大入学希望者の減少
第3章 学問の府で名を上げる
1 独創性の高い学問-文学部
2 ノーベル賞大学-理学部
3 マルクス経済学の拠点と河上肇-経済学部
4 滝川事件の意味-法学部
第4章 東大への対抗心は是か非か
1 入学生の学力
2 研究・教育はどうか
3 卒業生の動向
4 東大への対抗心は必要
第5章 同志社の創設者・新島襄と有意な卒業生
1 新島襄の功績と卒業生
2 同志社随一の経済人-深井英五
第6章 同志社の苦悩と発展
1 同志社の苦悩と大学の設立
2 大学の現在
第7章 立命館の創設と戦後の民主化(カバー写真は白川静氏)
1 立命館の創設と発展
2 戦後の民主化路線
第8章 立命館の拡大路線
1 著名な卒業生の一群
(取り上げられているのは、政治家-市田忠義、穀田恵二、門川大作 白川静 安藤百福、流政之 古田敦也、長谷川滋利)
2 拡大に伴う功罪
第9章 京都の大学が活性化する道
あとがき
参考文献
人名索引
これを読むと、学生時代に読んだ林屋辰三郎『京都』(岩波新書,1962)の「十五章 学生と芸術の都市 …大学」を思い出します。ここには「昭和八年の京大事件に当たって、佐々木惣一博士はじめ免官組の教授らが、そろって私立の立命館大学に転じたことは、当時の人々に大きな感動をもってむかえられた。」(p251以下)
また、京大のところは、立花隆『天皇と東大』で論じられていたことと相通ずるような気がしました。