10月24日(火)衣笠キャンパスにおいて、2006年度後期知事リレー講義第4回を行い、群馬県の小寺弘之知事を迎え、「君の力は∞」をテーマに講義を行った。冒頭に小寺知事は、群馬県の豊かな自然や豊富な温泉、全国1位の工場立地数といった県の特徴について紹介した。
地方自治に関して、国と地方の事務量と税収の比率が逆転していることを取り上げ、三位一体の改革によって国と地方との税収の比率を修正することの意義について力説。さらに道州制にも言及して、「国と地方との仕事をどのように分けるのか、権限はどうなるのかなどの内容を詰めずに、どの県とどの県を一緒にするのかといった議論だけを行うのは時期尚早だ。本来の道州制は国家的な変革であり、連邦制なども含めた最終的な国家像について研究したうえでの議論が必要だ」との自説を展開した。
そして、次世代を担う学生達への期待についても語り、「与えられた課題に適応するだけでなく、新しいものをクリエイトしていってほしい」と会場内の学生へ訴えた。「おとなはだれも子供だった」という、童話「星の王子さま」の台詞を引用しつつ、小寺知事は「先入観に染まらず社会と向き合うことが必要だ」と述べ、体力と精神力がピークとなる40歳代を目標に、いま何をすべきなのか考えてほしいと学生達へ語りかけた。
最後の質疑応答では、「子供を育てるなら群馬県」というキャッチコピーで進められている少子化対策などについても語った。
小寺知事は講義で群馬県政や地方自治に関する事柄だけでなく、若い世代のこれからの「生き方」について熱く語り、聴講者たちは真剣な面持ちで聞き入っていた。