3月11日の東日本大震災以降、宮城県では校友会活動もままならず、例年だと7月前後に開催することが多かった県校友会の総会も延期となっていました。
その間、東日本大震災被災からの復旧・復興に向けて学園・校友会からの支援は間断なく、強力に推進されてきました。宮城県校友会ならびに被災岩手・福島県への手厚い支援は今も続いております。
そうした中、宮城県校友会と東北六県が結集できる機会となることを期待し、今回の総会・懇親会は、「杜の都・大学女子駅伝」の開催日にその応援とジョイントで実施することとしました。
願わくは、女子駅伝が優勝を勝ち取り、我々に大きな勇気と希望そして復興へのパワーとなる事を祈っておりました。
まさに、今回はその通り実現する事が出来ました。私たちは、大学、校友会本部そして全国の校友会あげての復旧・復興支援を受けております。今後も学園・校友会の支援体制のもとで積極的で継続的な支援が進められます。宮城県校友会としても、それに応じて出来る限り協力していきたいと考えております。
今回、学園代表としてご来仙された川口清史立命館総長はじめ、東日本大震災復興支援特別委員会の方々、そして全国の校友の皆様に深く感謝申し上げます。
また、杜の都・大学女子駅伝で3年ぶり王座奪還を果たし、我々に大きな勇気と希望そして復興へのパワーを与えてくれた大学女子陸上部の方々にも心より御礼申し上げます。
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ご出席者の感想
山口統也(H18経済卒)・東日本大震災復興特別委員・大阪校友会幹事
今回現地視察をさせて頂いて感じたことは被災した方々の人間としての強さでした。
特に地元でかまぼこの生産・販売をおこなっている「株式会社ささ圭」の佐々木ご夫妻の、工場を被災して失ったにも関わらず手作業での生産によって販売を継続している、というお話には感銘を受けました。一度機械作業にしてしまったものを手作業に戻し、それを生産・販売できるレベルにまで戻す作業はそう簡単なものではなかったと思います。
また、今回宮城県校友会総会及び懇親会にも参加させて頂きましたが、東北地方という決して母校から近くない土地にこれほどの校友の方がいてその会に参加されていることに立命館大学校友の絆の深さを実感しました。
このたびお世話になりました皆様、貴重なお話をお聞かせ頂き本当にありがとうございました。今回見たこと聞いたことを自分の身の回りで伝えていきたいと思います。
藤井久実代(H19 国際関係学部卒)・東日本震災復興支援特別委員
10月22、23日、東日本震災復興支援特別委員として、宮城県被災地視察及び校友会総会へ参加させていただきました。
名取市閖上地区を、株式会社ささ圭 佐々木ご夫妻様のご案内にて視察させていただき、生きた震災を伝えききました。何とか前に前に進もうとする強い意志を感じ、私も日々の生活において、現実から逃げず、前に進もうという思いを強くいたしました。また、大変素敵なご夫婦だなと思い、私もお二人のような夫婦になれるよう、これからの出会いに目を光らせていかなければ!と思いました(笑)。
懇親会で頂戴いたしました、木村様の缶詰。箱を開けたときには、地震→津波→人々の安否→泥の缶詰→掘り起し作業→洗浄・出荷という流れがこの缶詰に詰まっていると思うと、胸が熱くなりました。本当においしく頂戴いたしました。
この2日間の貴重な経験を復興支援特別委員会の活動の糧とし、双方向の支援ができるよう、また校友の絆をより一層深められるようにしたいと思います。
本当にありがとうございました。
正木 泰(H14 文学部地理学科卒)・宮城県校友会
今回、大学卒業後、初めて校友会の懇親会に出席しました。
きっかけは、今回の震災で、校友会から連絡を頂き、何か会社以外の繋がりをもてればと思ったことでした。
当日は、若い校友会のメンバーの参加が少なく少し残念な気持ちもありましたが、諸先輩方から貴重な話を伺えたことや、女子陸上部の祝勝会もあり、京都から遠く離れた地で、立命館というキーワードで繋がれる、あたたかい特別な時間を過ごさせてもらいました。
高橋 敏(H2 産業社会学部卒)・宮城県校友会
本大会が仙台で開催されるようになって、毎年1区と2区で子供たちと大学のメガホン やチアスティックを使って声援を送っています。また、6年前から自身もランニングを始め、仙台国際ハーフマラソンでは、招待選手である駅伝チームの選手たちと走っています。
懇親会では、レース中と普段の選手の表情の違いに驚きました。来年の仙台国際ハーフ マラソンに出場が決まったら、選手に声を掛けてみようと思います。
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杜の都・大学女子駅伝で立命館大が独走。3年ぶりの優勝!
第29回全日本大学女子駅伝(杜の都・大学女子駅伝)は、10月23日(日)12時10分に仙台市陸上競技場をスタートとし、ゴールとなる仙台市役所前市民広場までの38.6km、6区間で行われました。
立命館大は、1区で竹中理沙(4回生)が区間新記録をマークする快走で先頭に立ち、2区の藪下、最長となる3区の田中華絵主将(4回生)の力走で2位に1分以上の差を確保しました。
ともに1回生の4区の池田、5区の津田が首位を確保したまま、6区の岩川真知子(4回生)にたすきをつなぎました。アンカーを務めた仙台育英高校出身の岩川は、昨年優勝の佛教大に1分18秒の差をつけてゴール。2時間6分29秒で3年ぶり6度目の優勝を果たしました。
総会報告
平成23年度の総会は、杜の都・大学女子駅伝の開催に合わせ、10月23日(日)に午後2時から、「仙台ガーデンパレス」を会場に行われ、県校友・来賓約50名が出席しました。
千田芳文副会長の司会により開会され、はじめに参加者全員で東日本大震災の犠牲者の方々に黙祷を捧げました。
下村泰雄会長の挨拶に続き、学園代表として川口清史立命館総長からご祝辞をいただきました。
川口総長は、「仙台の被災地を実際に視察し3.11以降の新しい社会の取り組みを支えるような大学にならなければと改めて強く思った。復興の取り組みを世界にきちんと伝えることができる大学になるために一歩一歩進めていかなければならない」と述べ、「学園中期計画R2020」のご報告をされました。さらに、被災した学生への奨学金の一部が校友会からの補助であることも触れ、校友会が未来の立命館大学を支えていると感謝の意を表されました。
なお、川口総長は、総会の前日にご来仙され、津波で大きな被害を受けた名取市閖上地区を視察し、津波で自宅と店舗、そして3つの工場を流失する被害を乗り越え操業を再開した笹かまぼこ製造「ささ圭」社長で校友の佐々木圭亮さん、靖子さん(県校友会副会長)夫妻の案内の元、当時の状況や被害状況などの説明を受けられました。
また、次にご祝辞をいただいた校友会本部の西村隆副会長、辻寛東日本大震災復興支援特別委員会委員長・兵庫県校友会会長からは、校友会による長期的な被災校友への支援、校友会の震災復興支援事業についてお話をいただきました。
懇親会報告
総会に引き続き同ホテルで会場を移して行われた懇親会は、総会参加者に加え、子息を立命館に通わせている父母の会会員、大学女子駅伝の関係者等も加わり盛大に開催されました。
また、懇親会は、大学女子駅伝の選手等の慰労会と合同で行うこととし、当初、「合同懇親会」の名を掲示していましたが、優勝が決まったため、会場の看板も急きょ、「合同祝勝会」に表示を変更しました。
川口立命館総長はじめ、ご来賓の方々のお祝いの挨拶等が終わっても、選手たちは到着せず、「去年のように準優勝なら、もっと早く懇親会に参加できるのだが、優勝するとインタビュー等が続くので選手たちは遅れる」との司会の言葉に和やかな笑いが広がりました。
約1時間遅れで、選手たちが到着。ステージに上った選手たちからは、それぞれ、例年の連覇に向けた力強い決意の言葉をいただきました。その後、応援団=女子学生3人による校歌・応援歌斉唱がありました。
また、この間、津波により壊滅的な被害を受けた、石巻市の水産加工会社「木の屋石巻水産」経営の木村長努さん(S52・経済)ご夫妻、名取市のかまぼこ屋「ささ圭」経営の佐々木圭亮さん(S50産社)・靖子さん(S51文)ご夫妻が挨拶をされました。
津波により機械をながされた「ささ圭」では、50年以上昔のやりかた、「材料を石臼で練りこみ、手で叩いて作ろう」と決意し、日に3500枚から4000枚の手作りの笹かまを生産しているそうです。
同じく、工場を津波で流された「木の屋石巻水産」の木村さんも、「石巻の復興はお前にかかっていると過剰に期待されている」と半分冗談めかしながらも、復興に向けての強い決意を述べられました。
「ささ圭」佐々木さんご夫妻
石巻市の木村長努さん(S52・経済)ご夫妻
会場では、県内校友との再開を喜ぶ懇談、大学本部や他県交友との懇談、女子駅伝の選手たちや応援団などを交えた写真撮影などが続き、和やかな中にも立命館校友の絆を感じさせる一日となりました。