2012年10月13日(土)・14日(日)に「2012年度立命館大学校友会 復興支援事業 東北応援ツアー 岩手県コース」が開催され、全国の校友26名が参加した。
※同ツアーは現地の校友(校友会)からの「被災した場所を実際に全国の人に見てもらいたい」という意見と、「東北の良い所を全国の人に見てもらい、風評被害で苦しむ地元を元気づけてほしい」という意見をもとに企画された。
「被災地(特に被災地の校友が経営・勤務する店舗や施設)を客として訪問することで、被災地の活性化に貢献すること」と「全国の校友が被災地を訪問し、また被災した校友と交流することを通して東日本大震災について学ぶ契機とすること」を趣旨・目的としている。
1日目は「被災地を学ぶ」をテーマに大型バスで釜石地区、大槌地区を訪問した。
東日本大震災で大きな被害を受けた地区を車窓から見学し、震災前の街の様子、そして震災・津波で受けた被害、現状についての現地ガイドから説明があり、参加者たちは深く聞き入っていた。
大槌地区ではバスから降り、津波で大きな被害を受け、現在は休止中であるJR山田線の大槌駅を見学した。
かつては周辺には店舗や住宅があり、のどかな風景が広がっていたとは思えないほど、津波によって破壊された被災地の現状を目の当たりにし、皆、言葉を失っていた。
その後、参加者は宿舎に移動し、菊池宏会長(1965・文)を初め、震災当時岩手県に在住し、震災を経験した校友10名を交えて勉強会を行った。
初めに陸前高田市在住で震災の当時、陸前高田市公民館の館長だった鈴木正彦さん(1971・経済)が、実体験を交えて地震発生当時の状況について話した。
続いて釜石市在住で、地震も津波の被害を受けた佐野美徳さん(1978・理工)が当日に撮影された映像と共に震災発生時の様子を説明した。
次に菊池会長から、岩手県校友の被害状況や復興支援活動の報告が行われた。
続いてツアー参加者から、現地の校友に対する質問コーナーが設けられ、「被災地が今困っていることは何か」など多数の質問が上がり、岩手県在住の校友はその一つ一つに丁寧に返答した。
その後行われた交流会には、ツアー参加者26名と岩手県の校友10名が参加した。
岩手県校友会と校友から提供のあった岩手県の地酒が交流会では振舞われ、参加者は皆、現地校友の温かいもてなしと美味しいお酒に感動していた。
和やかな雰囲気の中、交流会への参加者たちは都道府県、卒業年の垣根を越えて大いに懇親を深めた。
交流会では校友の鬼丸昌也さん(2003・法)が創設したNPO法人「テラ・ルネッサンス」が取り組んでいる「大槌復興刺し子プロジェクト」の事務所所長の鈴鹿達二郎さんが、同プロジェクトの被災した女性たちの生活再建を目指して新しい仕事を生み出そうとしているその取り組みについて話した。
参加者たちはその活動内容に感銘を受け、また、その商品自体のかわいらしいデザインに惹かれ、多くがその場で刺し子さんが刺繍を施したコースターやTシャツなどを購入していた。
※大槌復興刺し子プロジェクトの詳細はこちら⇒http://tomotsuna.jp/
会が進み、大橋謙一副会長からの中締めの挨拶のあと、交流会参加者が円陣を組み、酒井事務局長のリードのもと応援歌、校歌、寮歌が斉唱された。
最後には参加者全員で「フレーフレー岩手」と大きな掛け声と手拍子を合わせ、大盛況の中、交流会はお開きとなった。
2日目は風評被害に苦しむ現地を「見て、買って、食べて復興支援」をテーマに、平泉町にある2011年に世界遺産に登録された中尊寺を訪れた。
参加者たちは途中立ち寄った道の駅や、中尊寺で現地の野菜や名産品を含むお土産を多く購入し、「実際に訪れてみて岩手県は美しく、素晴らしいところだと心から思った。他都道府県にはない美味しく安全な食べ物がたくさんある。もっと多くの人が岩手県を訪れ、岩手県産のものを購入する架け橋となるように全国にアピールしていきたい」と意気込んでいた。
解散までのバスの中、東北応援ツアー:岩手県コースに参加した校友たちは「実際に現地を訪問しなければ感じ取ることができない震災の状況を学ぶことができた。東北応援ツアーに参加することが出来てよかった。今後も復興支援に取り組んで行きたい」と口々にし、大好評の中、東北応援ツアー:岩手県コースは終了した。
※東北応援ツアーへの参加条件:①立命館大学の校友であること、②「現地を訪問して想う事」をテーマにしたレポートの提出。
内容を取りまとめ、後日に公表予定。
なお、校友会事務局からは古石章子校友・父母課員が参加した。