11月20日(日)12時より、福山ニューキャッスルホテル「ローズの間」にて、広島県東部校友会総会が開催された。同校友会は、福山市を中心として、尾道市、三原市、府中市などの校友を中心に組織され、当日は学園・本部の他、広島県校友会より伊藤利彦会長、田中龍次事務局長などの来賓も参加、総勢65名での総会開催となった。
第一部総会は、村上隆昭幹事(H4/1992経営)の司会進行のもと開始された。校歌斉唱を経て登壇した岩村寿夫会長(S43/1968経済)は、3.11東日本大震災に関る社会情勢などに触れつつ、「このような困難な情勢にある時は、温もりのある校友の絆がひときわ大切だと感じる。本会は、総会だけでなく日常のレクリエーション活動や『士業の会』などの縦横のつながりで基盤を強固にしつつあるが、これに満足することなく、もっと若い世代の参加を呼び込むべく、活動に工夫を凝らしていきたい」と述べ会長挨拶とした。
続いて来賓紹介が行われ、代表して仲上健一立命館常務理事・立命館大学政策科学部教授が祝辞を述べた後は、事業・会計報告等議事が執り行われ、いずれも拍手をもって承認され総会は閉会となった。
第二部は記念講演。立命館大学仲上教授を講師として、『災害列島日本と新たなネットワークの挑戦』を演題とする講演が行なわれた。仲上教授は、東日本大震災や台風12号被害の復興活動に関る自身また指導学生の取り組みについて画像を交え紹介。
「災害対策を行う場合、地域の『古老』と呼ばれる人たちの過去の話が大変重要な意味をもつ。現在90歳前後の方であれば、その祖父母からの伝承も含め実に200年分の情報を持っている」「大規模災害に備えるためには、自治体だけでなく住民・企業もリスクマネジメントの観点から連携を行う必要がある」「災害発生時に『何ができるか、できないか』、また対応の限界点なども予め明確にしておく必要があろう」などと知見を述べ、参加者も皆熱心に話に聞き入っていた。
第三部は懇親会。冒頭司会進行を担当する寺田幸生幹事(H6/1994経済)より、同日の配席について説明が行われた。会場に7つ設けられた円卓それぞれには、若手・中堅からシニアまで、特定の世代に偏りない状態で校友が席についている。これは、同日は懇親会の中盤で「東日本大震災復興支援プログラム」が行われ、それを受けて各卓で「校友各自が果たすことのできる役割は何か」をテーマに、校友会らしく世代を超えてグループディスカッションをおこなってほしいとの意図から事務局が抽選作業を実施して配席したものであり、そのことが告げられると乾杯を心待ちにしていた参加者も皆すっと背筋を伸ばした。
伊藤広島県会長の乾杯発声で幕を開けた宴は、地酒の徳利も登場して、やわらかな雰囲気のなか懇親が進み、間もなく新人紹介コーナーが始まった。昨年は新人として壇上に立った宇田悠毅幹事(H22/2010文)の進行のもと、新卒者3名を含め今回初参加となる11名が登壇。宇田幹事の仕切りにより、「最近嬉しかったこと」を添えての自己紹介スピーチとなったが、高校の同級生である校友の誘いで来た、関西8大学ゴルフコンペには参加したことがあるが総会出席は今回初めて、学生時代はアメリカンフットボール部で活躍した、など一人ひとりが工夫を凝らしたスピーチを展開したことにより、会場から掛け合いの声が飛ぶなど、雰囲気はより和やかになっていく。中で若手一人が「彼女募集中です」と述べたことを引き合いに出し、宇田幹事が「私も全く同じ。あらためて校友の『絆』を感じました」と発し、その校友と堅い握手を交わし会場を沸かせて同コーナーは終了となった。
宴が進んだ後、同日のメインイベントとなる「東日本大震災復興支援プログラム」が開始され、寺田幹事が携帯電話を片手に壇上に登場、同会幹事の馬場依奈美さん(H13/2001法)と電話をつないだ。福山で行政書士として活躍する馬場さんは、仲間らと東日本大震災被災地を支援する団体「てごうし隊」を結成、代表に就任。福山からのボランティアツアーを実施し、宮城県内での被災地支援活動を精力的に展開している。「てごうし」とは備後弁で「手伝う」の意味。
同日も第4回ボランティアツアーで宮城県山元町にて活動中の馬場さんより、現地の状況や活動の取り組み状況などが報告されると、グラスを口に運ぶのをやめて、電話越しに聞こえる馬場さんの声に耳を澄ませる参加者が目立ち、電話の終了間際には温かい拍手と「馬場さん頑張って!」の声が多数掛けられた。
校友会本部事務局より出席した野村慶人校友・父母課員より、会報「りつめい」第246号の取材風景を交え、被災地で校友が奮闘する状況や校友会本部の震災復興の取り組みを紹介した後は、各卓にてディスカッションが展開された。序盤こそ戸惑いを見せる校友もあったものの、次第にいずれの卓も真剣な討議となり、各々の発言に深くうなずき、また身を乗り出して話し合う姿が見受けられるになった。
締めは2つの卓より、先ほど登場の宇田幹事、新卒の小松康之さん(H23/2011経済)が指名され前に進み出て、それぞれの卓での議論状況や自身の見解も含めて見事な総括を披露。二人の後輩のたくましい姿に立命館での学びの確かさを感じ取った先輩諸氏より、盛大なる拍手が沸き起こった。
また、グループディスカッションに並行して、小山春佳さん(H23/2011産社)仁科加奈美さん(H23/2011文)が場内募集を担当した義援金の受付結果が報告され、総額84,540円が校友会本部野村に手渡された。この義援金は全額、立命館大学校友会が募集する「東日本大震災復興支援義援金」に供託される。
中締め前のお約束は応援歌・寮歌の斉唱。今回は、県北庄原市東城町より元応援団リーダ部部長の名越陽介さん(H21/2009政策)が来臨、同会幹事の表豊さん(H8/1996法)を鼓手として演舞を披露した。応援団出身ではない表さんが撥を持つのも初めてなら、名越さんと顔をあわせること自体も同日が初めて。宴会場客入れ前はもとより、総会開始間際までロビーの片隅にてタイミングを合わせる練習を二人でこなした甲斐あって、本番はきっちりと演舞が決まる。名越さんの若さが漲りつつも正調の演舞と、腰の構えも堂に入った表さんの撥捌きに、会場も肩組み一丸となって応え、応援歌・寮歌を大斉唱。
「フレーフレー東日本」のエールのあと、口上を述べるためマイクに向かった名越さんは、前日北九州校友会総会に出演の後、明け方まで同会校友と親交を深めたことに触れつつ、「昨夜は熱い九州立命男児に圧倒されましたが、やはり我が故郷広島、東部の校友が一番だと実感しました!」と発し岩村会長と堅く握手、参加校友を大いに喜ばせた。
その後、興奮冷めやらぬ中登壇した川上好機副会長(S42/1967法)が、「今回の総会は素晴らしかった。事務局はじめ皆様に心より感謝したい。自分達の元気が、東日本はじめ日本の活力につながればこんなに嬉しいことはない。また次回を楽しみに、皆さん元気にお会いしましょう」と閉会挨拶し、定刻16時にお開きとなった。
広島県東部校友会は、総会毎にユニークでオリジナリティ溢れる企画を繰り出し、また高頻度にHPの情報更新を行うなど、全国屈指の活動内容を展開しています。直近では参加者間の相互交流活発化のため、総会時年次が近い校友同士で配席を行う校友会が多くなるなか、真摯な議論を促すため、敢えて今回の総会にて多世代配席を行った同校友会事務局の挑戦意欲に敬意を表し、以下に、会報誌「R-alumniびんごvol.5」、広島県東部校友会公式サイト、そして幹事馬場さんが主導するてごうし隊の公式サイトについてご紹介させていただきます。あわせてご確認ください。
☆R-alumniびんごvol.5
☆広島県東部校友会公式サイト
☆てごうし隊公式サイト