2015年11月14日(土)・15日(日)に「2015年度立命館大学校友会 復興支援事業 東北応援ツアー 宮城県コース」が実施され、全国から15名の校友と宮城県校友7名が参加した。
東日本大震災復興支援特別委員会から藤川行江委員(’69・法)、田邊裕委員(’99・経営)、黒澤健委員(’11・経営)の3名が参加し、ツアーコーディネーターを務めた。
【1日目】
1日目は女川地区を訪問し、震災時の写真や震災前の街の模型などが展示されている「復興町づくり情報交流館」を訪問した。
津波で多くの方が犠牲となり、壊滅的な被害を受けた女川町。
役場の方から「女川町を訪問して多くの人に、実際に地震そして津波の恐ろしさを感じて貰いたい。そしてここで学んだことを次に起こりうる大災害の備えに繋げてほしい」という言葉とともに震災当時の説明があり、参加者達はメモを取りながら熱心に聞き入っていた。
続いて石巻市内に移動し、ボランティアガイドの説明のもと石巻市内を視察した。バスの車窓から石巻市内を見学し、震災時当時の説明を聞いたあと、今年に再建された魚市場を見学した。震災以前よりも効率を考えられた造り、そして最新の機器が設置され、その「復旧」なく、以前よりも大きく進歩し「復興」した施設に、参加者達は感心している様子だった。
その後、一行は宿舎の「松島一の坊」に移動し勉強会を行った。
宮城県校友会の下村泰雄会長(’61・法)の挨拶で始まった。勉強会では宮城県在住の校友で「ささ圭」の佐々木圭亮さん(’77・産社)と靖子さん(’76・文)ご夫妻からのお話があった。津波の被害を受け本店や3つの工場が流され、3名の従業員がその尊い命を奪われた「ささ圭」。絶望的な状況からの立ち上がり、再建への道のりを歩んでいる佐々木さんご夫妻の話に参加者達は真剣な表情で耳を傾けていた。講演の後には質問の時間が設けられ、佐々木さんご夫妻はその一つ一つに丁寧の返答していた。
勉強会の終了後、会場を移して交流会が開かれ、宮城県校友会の下村泰雄会長の乾杯の発声で会は始まった。
懇親会では、元日本代表で海外のリーグを経験し、現在は日本で活躍中のサッカー選手、松井大輔さんから寄付されたTシャツが配布され、「東北応援ツアー」の趣旨に賛同した松井選手のご家族から、このTシャツの寄付の申し出があった経緯や松井さんの被災地に寄せる思いなどが説明された。
また宮城県校友から、地元のお酒の差し入れがあり、卒業年・卒業学部、在住地などの枠を越えて参加者は大いに懇親を深めた。最後に阿部直副会長(’62理工)の閉会の言葉で、盛況のうちにお開きとなった。
【2日目】
2日目は「観光して復興支援」をテーマに松島港から塩釜港までを遊覧船見学した。
船内では、湾内の無数の島が東日本大震災による大津波の力を軽減したため被害が比較的少なかったことや、船内ガイドの家族を津波で失った経験談などが紹介され、参加者達は東日本大震災の影響について考えている様子だった。
続いて、震災学習のため閖上地区を訪問した。
震災発生当時、閖上地区に在住していた校友の佐々木ご夫妻の案内で日和山、そしてその傍らに建立された慰霊碑を訪問し、参加者一同で震災・そして津波で亡くなった方々への黙祷を捧げた。
その後日和山に登り、津波で街が流され、更地となってしまった閖上地区を一望しながら、佐々木ご夫妻から震災発生当時の詳しい状況が説明された。その恐ろしさと当時の状況の凄惨さに参加者達は言葉を失っていた。
その後、佐々木ご夫妻が経営する「ささ圭」の店舗に一行は立ち寄り、佐々木ご夫妻のご好意で焼きたての笹かまぼこが参加者全員に振舞われ、こだわって一つ一つ丁寧に焼き上げられたその美味しさに感動し、皆が笹かまぼこを購入していた。
東北応援ツアー宮城県コースに参加した校友たちからは「宮城県は復興していると思い込んでいたが、今回のツアーで訪問し、東日本大震災はまだ終わっていないことを知った。復興に向けて苦しい状況の中、前を向いてがんばっている校友がいることも知った。宮城県のものを買うこと、宮城県を訪問することも復興支援に繋がると地元の方たちに教えてもらった。これからは自分に出来る形で復興支援に取組んでいきたい」と感想が寄せられ、東北応援ツアー宮城県コースは好評のうちに終了した。
なお、校友会事務局(校友・父母課)からは曽谷直樹課長補佐、古石章子課員が参加した。