2016年11月19日(土)~11月20日(日)に今年で5回目を迎える「2016年度立命館大学校友会 復興支援事業 東北応援ツアー宮城県コース」が実施された。「東日本大震災を学ぶ」、「観光して復興支援」、「食べる復興支援」を目的のツアーには全国各地から校友が集まった。全国から集まった校友は15名、宮城県校友会からは11名、東日本大震災復興支援特別委員からはツアーコーディネーターとして藤川行江委員(’69・法)、田邊裕委員(’99・経営)、黒澤健委員(’11・経営)の3名、立命館大学校友会事務局からは2名の計31名が参加した。
【1日目】
1日目は勉強会・昼食会場である南三陸プラザへ向かうバス車内において、河北新報社勤務で防災・教育記者の宮城県校友の方より、河北新報社の防災・減災への取組み(ワークショップ「むすび塾」)や、大学生が記者を体験するインターンシッププログラム「記者と駆けるインターン」の紹介、また常備防災品(氷砂糖など)をはじめとする防災知識等の説明があった。南三陸プラザに到着後、宮城県気仙沼向洋高等学校の岸教諭より、『命を守る防災の大切さ~東日本大震災で見たこと・経験したこと・伝えたいこと~』をテーマに講話をいただいた。震災当時に岸教諭が勤務されていた志津川高校での避難体験、震災後の様子や、現在勤務をされている気仙沼向洋高校の当時の様子等映像を交えながらの説明があった後、私達自身が防災意識を常に持ち、具体的に備えること、自助の向上等、防災の大切さについて語られた。最後に「復興はゆっくりとしたスピードで進んでいる為、被災地を忘れないでもらいたい」と話を締め括られ、参加者は皆熱心に講義に聞き入りノートを取っていた。
次に、シーパルピア女川で視察を行った後、宿泊先であるホテル大観荘へ移動。
ホテルに到着後行われた勉強会では、宮城県校友会大沼久明会長(’62・法)の挨拶ではじまった。復興支援特別委員である黒澤委員の司会のもと、宮城県校友であり㈱ささ圭の佐々木圭亮氏(’77・産社)、靖子氏(’76・文)ご夫妻に続き、同じく宮城県校友の㈱木の屋石巻水産の木村長努氏(’77・経済)からお話があった。共に震災前には順調に事業拡大していたが、震災によって工場や本店、自宅などすべてを津波によって跡形もなく流されてしまった。その後家族や従業員と再建を誓い合い、新店舗、工場の再開を実現、新商品の誕生等新たなる一歩を復興に向かって歩んでいかれる様子を話された。参加者は皆さん熱心に耳を傾けて聞き入り、勉強会後は活発な質疑応答が行われた。
勉強会終了後会場を移して開かれ交流会は、黒澤委員の司会のもと、大沼久明会長の開会の挨拶、乾杯ではじまり、学年、学部、住居地などの垣根を越え、参加者、宮城県校友、復興支援特別委員同士で交流を深めた。宮城県校友会からは地酒の差し入れをいただき、終始和やかな雰囲気のなか会は進んだ。最後に千田芳文副会長(’74・文)のリードのもと全員でグレーター立命を歌い、盛会のうちに会は終了し、二次会へと続いた。
【2日目】
2日目は、松島港より遊覧船に乗り津波で被災した沿岸や海苔や昆布の養殖の景色を眺めながら塩釜港へ移動。その後昼食でお寿司を食した後は、前日の勉強会で話をしていただいた佐々木ご夫妻が震災前に拠点とされていた閖上地区へ移動。閖上の記憶で語り部の方が被災体験をもとに時折涙しながら語られる姿に、聞いている参加者は皆心を打たれ、涙している方もいた。続いて日和山に登り佐々木ご夫妻から当時の状況の話を聞いた後、全員で黙祷を捧げた。㈱ささ圭さんへ移動した後は、ひとつひとつ丹念に職人の手わざで作られた手わざ笹かまぼこを参加者銘々炭火で焼き、顔をほころばせながらあつあつの笹かまぼこを頬張り堪能していた。
「日本は地震大国で、いずれまたどこかで地震は確実に起こるため、過去の地震を風化させず、普段から防災意識を持ち、いざ地震が起こり被災しても被害を最小限に留めることが求められます。私は今回の体験を家族や友人に伝え、自分自身は食料など非常時の備えをします」、「被災地がどれぐらい復興しているのか自分の目で確かめ、学校に戻って子供達にぜひ伝えたいと思います(一部編集)」等、多くの参加者の方々から感想をいただき、東北応援ツアー宮城県コースは好評をもって終了した。
なお、校友会事務局からは舩尾課長補佐、松野課員が参加した。