2014年10月18日(土)・19日(日)に「2014年度立命館大学校友会 復興支援事業 東北応援ツアー 福島県コース」が実施され、全国から22名の校友と福島県校友4名が参加した。
東日本大震災復興支援特別委員会から石井英幸委員(1995・文)と仲川将史委員(2006・法)が参加し、両委員はツアーコーディネーターを務めた。
【1日目】
1日目は2011年3月11日に発生した東日本大震災による原発事故に伴い全村避難を余儀なくされ、翌年の1月に「帰村宣言」をし、復旧・復興に向けて取組んでいる川内村を訪問した。
川内村では遠藤雄幸村長から「原発事故に伴う避難からの復興に向けて」をテーマに、講演があった。川内村が原発事故以降、どのように復興に取組んできたかを軸に、現状や今後の課題、そして川内村が取組む新たな村づくりへの取り組みや挑戦などが説明された。講演の最後には村長が「川内村を絶対に復興させる」と決意したきっかけとなった、小学生からの手紙が紹介され、参加者達は熱心に聞き入っていた。
講演の終盤には、質疑応答の時間が設けられ、参加者からの質問に遠藤村長は一つ一つ丁寧に返答した。
講演の終了後、川内村役場職員の案内のもと、バスの車窓から村内を見学し、最後にクリーンルーム内で人工の光を当てて農産物を育てる水耕栽培の工場を見学した。
参加者からは「全村避難、そして風評被害など様々な困難に負けず、懸命に復興に取組んでいる川内村を訪問し、テレビや新聞から情報を得るだけでは感じることのできない放射の対策や農産物の安全性について直接話を聞くことができて良かった。川内村を訪問したり、川内村の農作物を購入したりして、自分に出来る形で復興の手伝いをしたいと思った」とコメントが寄せられた。
次に郡山市内に移動し民芸品の絵付け体験が行われた。東日本大震災の直接的な被害は少なかったが、原発事故による風評被害に現在も苦しむ「三春デコ屋敷」。「風評被害の現状を知り、皆さんがこうやって来てくださることが何よりの復興支援になります」と地元の方々が感謝の言葉を口々にし、参加者達は改めて「現地の訪問が復興支援につながる」ことを感じた。
その後、一行は宿舎に移動し勉強会を行った。
勉強会は、福島県校友会の馬場幸蔵幹事長の司会、石井委員、仲川委員のコーディネートのもと進められ、校友で福島県企業局の飯塚俊二局長(1981・法)から「ふくしま復興のあゆみ」をテーマに福島県の東日本大震災からの復旧・復興の状況、被災者の生活再建や県民の健康への取り組み、食品の安全・安心に向けた取り組みなどについての講演があった。
その後、飯塚さんをはじめ、福島県の校友への質問が受け付けられ、県内の除染の状況や、福島県が抱えている問題についてなどの質問が多数上がった。
勉強会の終了後、会場を移し交流会が開かれ、福島県校友会の馬場幹事長の乾杯の発声で会は始まった。
懇親会では、元日本代表で海外のリーグを経験し、現在は日本で活躍中のサッカー選手、松井大輔さんから寄付されたTシャツとエコバッグが配布され、福島県校友と全国からの参加者は同じTシャツ着て懇親会に参加した。
「東北応援ツアー」の趣旨に賛同した松井選手のご家族から、このTシャツの寄付の申し出があった経緯や松井さんの被災地に寄せる思いなどが説明され、「同じTシャツを着ると、福島県校友の方たちとの心の距離が縮まった気がする。松井選手の気持ちに感謝したい」と参加者たちは喜んだ。
福島県校友会からは日中に訪問した川内村高原農産物栽培工場のクリーンルームで育てられた野菜を使ったサラダが差し入れられ、参加者達は「美味しい」口々にし、中には何杯もおかわりする参加者もいた。
【2日目】
2日目は「見て、買って、観光して復興支援」をテーマに裏磐梯・五色沼を訪問した。
絶好の行楽日和の中、参加者達は色づき始めた木々と、緑・赤・青など、様々な色の沼が点在する五色沼を散策し、その紅葉と沼の美しいコントラストを大いに楽しんだ。
現在は回復しつつあるものの、風評被害により、震災前に比べると五色沼を訪れる観光客が減っていると聞いた参加者達は、「風評被害がいまだに大きく観光地に影響していることは知らなかった。福島県にはこんなにも素晴らしい場所があることを多くの人に知ってもらいたい」と口々にした。
なお、校友会事務局からは田中康雄社会連携部長、古石章子校友・父母課員が参加した。