NHK大河ドラマ「江」のふるさとを訪ねました。
春まだ浅い琵琶湖の水温む湖面を思わせる♪テーマ曲♪に誘われるまま、
京都駅から長浜行きのJR琵琶湖線に乗りました。
当日は大変な雪で、近江八幡を過ぎたあたりから車窓は一面の銀世界、
いつもと違う湖東の風景に戸惑いながら、
安土山を横目に彦根、米原と過ぎ一時間余りで長浜駅に到着しました。
「江・浅井三姉妹博覧会」の会場をつなぐシャトルバスに乗り、
かつて浅井・朝倉軍と織田・徳川軍が死闘を繰り広げた姉川を渡り、
織田信長が小谷城攻めの拠点とした虎御前山を過ぎ、
いよいよ目指す小谷山の麓に着きました。
しかし、その日は記録的な積雪となったため、
「江」のふるさとを訪ねるという思いは半ばまでしか叶いませんでした。
戦国時代屈指の山城と言われ、かつてここで長政とお市が過ごし、
浅井三姉妹が生まれた小谷城跡へ登り、城跡から市街地や琵琶湖を一望し、
三姉妹が見た景色に思いを馳せる予定でしたが、まことに残念でした。
吹雪すさぶ小谷山を見上げながら、
戦国という時代に翻弄され、それぞれが波乱の人生を送った浅井三姉妹が
幸せだった時間を、深い雪の中にまだそっと潜ませていたかったのだろうかと、
そんな愛おしい思いにさせられながら帰路に着きました。
今度は、新緑の季節にまた訪ねてみたいと思います。
石橋 博 (2011.2.18 上毛新聞18面ひろば欄に掲載)