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APRIL 202511PROFILE株式会社人機一体 代表取締役社長金岡博士大阪府出身。2002年、京都大学博士(⼯学)取得。立命館大学理⼯学部ロボティクス学科助手を経て2003年、理⼯学部ロボティクス学科講師に就任。力学ベースのロボット⼯学技術について研究開発。2008年、総合科学技術研究機構ロボティクス研究センター客員教授に就任。2015年、立命館大学発のスタートアップとして株式会社人機一体を設立。ビジネスモデル「人機プラットフォーム」を考案し、人機の社会実装に取り組んでいる。ロボティクス学科で勉強した人が、その知識をロボット産業で活かせる。そんな未来を創ります大阪・関西万博 出展情報東日本大震災からのよりよい復興日程:2025年5月19日(月)〜5月24日(土)会場:EXPOメッセ「Wasse」Resona Mirai Color 日程:2025年9月9日(火)〜9月15日(月)会場:大阪ヘルスケアパビリオン博では、ここまでロボット⼯学技術を進展させてきたとい「プロトタイプロボット展」で、当時の開発成果を出展する予定です。実は万博に参画するのは2回目。立命館大学に在籍していた2005年、「愛・地球博」内で開催された最新の研究成果を出展したことがありました。私たちの他にも多くの企業・大学から67種類のロボットが出展されましたが、今振り返ってみても、実用化されているロボットはほどんどありません。2020年に実用化されると期待されるロボットを集めたにも関わらず、です。あれから20年。大阪・関西万う成果を見せたい。今度こそ、社会に役立つロボットの社会実装を実現したことを発信したいと考えています。20年前、日本のロボット⼯学は世界の先頭を走っていましたが、いまや先頭集団に後れを取っています。今回の万博は「日本のロボット⼯学は、まだまだ捨てたものではない」と示すチャンスです。まずは我々の0→1の事例をキッカケに、ロボットの社会実装が次々と広がっていく。そんな未来につながればいいと思っています。人機の用途は、インフラメンテナンスだけにとどまりません。例えばロボットに高性能カメラを装着すれば、遠い所や暗い所も見えます。AIのサポートによって、人にはできない緻密な作業を行うこともできます。人に超能力はありませんが、私たちの技術があれば、ロボットを直感的に操り、まるで超能力が備わったかのように、人の能力を大きく拡張することができます。その実現のためには、他企業と連携し、多くの技術を結集する必要があります。現在は、そのベースとなる独自ビジネスモデル「人機プラットフォーム」の構築を進めているところです。人機がビジネスになり、社会のあらゆる場所で日常的に使われるようになって初めて、災害のような有事にも役立ちます。人機なら将来、コンピューターや自動車に匹敵する規模で、日本が世界でイニシアチブを発揮する産業になることも可能です。大きな夢や理想はありますが、私の研究開発のモチベーションの原点は、人の役に立つものを作って「褒められたい」という単純な思いでした。かつては「マンガ」や「オモチャ」と思われていたロボットで社会の役に立ち、産業を創出し、世の中を良くすることができたら、少しは社会から褒めてもらえるんじゃないか。そんなふうに思っています。

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