校友会報「りつめい」No.294
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AUGUST 202418ば、私が「大学の大講義を前方の席でしか受けられない」ことに対して、私が歩いて後ろの席に行けないことではなく、階段しかない構造を問題視する見方です。しかし自分が経験をしたことがないと、問題意識も持たず、それに対して社会が変わらないといけないという発想になりません。そんな「日常にある不便さ」に気付けるように、参加者も楽しめる要素を入れてプロジェクトを行うのが「feel」です。現在、「feel」のメンバーは全員が4回生です。ゼミでアントレプレナーシップを学ぶ中で、「自分たちのアイデアから何かを生み出す」ことを大事にして取り組んできました。将来的に、副業としてみんなで起業するのか、NGO等になるのか、あるいはワークショップをメインに運営していくのかなど、正直まだ定まっていません。ただ一つ言えるのは、形が変わっても、理念は残していきたいということです。社会に出た後も、いろいろな取り組みにチャレンジしていきたいと考えていますので、ぜひ見守っていただけるとうれしいです。https://alumni.ritsumei.jp/ gift/student-voice/支援を受けた 学生の声は こちら校友会未来人財育成基金バリアの種類と「feel」のアプローチ体験する前と後で世界の見え方を変える「バリア体験型カフェプロジェクト」「feel」で体験する日常にあるバリア受給団体による活動報告[奨励金採択テーマ]ユニバーサルな社会の実現に向けた バリア体験型カフェバリア体験型カフェプロジェクト「feel」 代表 藤枝 樹亜さん(経営4)「feel」は林永周准教授のゼミの活動から生まれた、バリア体験型カフェ運営をメインに行う団体です。ふらっと立ち寄られた方に、イヤーマフやアイゴーグルを着用してもらう、車いすに乗った状態で注文をしてもらうなど、「日常生活にある不便さ」をまず体験してもらうことをコンセプトにしています。日常の中に潜むさまざまな障壁や課題を体験された方は、総じて何が・どう大変なのかを実感してくれます。意外だったのは、「できない」ことを分かってくれた上で、「この状態ならできる」と「できる」ことにも理解が及んだ点です。例えばある方は、街中で人が困っている場面に遭遇した際、「自分が同じ状況に置かれたら、このような助けがほしい」という気持ちを理解できたことで、積極的に声を掛けてみようと思われたそうです。そのような声を聞くと、私たちが目指す「ユニバーサルな社会の実現」に一歩近づいていると感じます。バリアや障害の考え方には、「医療型」と「社会型」があります。「医療型」というのは医療としての観点のため、「その人は何が出来ないか」「どんな障害なのか」という視点を重視しています。その一方で「社会型」は、個人の状態ではなく、「その社会のあり方によって、何がハードルかが変わってくる」という考え方です。例え今後の活動について「校友会未来人財育成奨励金(団体支援)」が学生の学びのフィールドを広げています 

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