会報りつめい293号 デジタルブック
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篠しの原はら 果か歩ほAPRIL 2024No.293123APRIL 2024203巻頭特集02輝くひと08RITSUMEIINTERVIEW 12立命館の研究者たちfromRADIANT14立命館ファミリー15大学利用案内16校友会未来人財育成基金18つながる、ひろがる校友会21令和6年能登半島地震における~校友会ネットワーク~「被災学生支援金」へのご寄付のお願い編集室から立命館大学校友会報「スポーツを見るのが好き。頑張っている人を応援することが好きでした」「スポーツを通じて社会課題を解決する」ことを目指して活躍する篠原果歩さんの原点は、立命館宇治高等学校時代、甲子園に出場した母校の野球部を熱烈に応援したことにある。「私自身は運動が苦手でしたが、小さい頃からスポーツが身近にあって、『見るスポーツ』に魅力を感じていました」。スポーツに関わる仕事に就きたくて、産業社会学部スポーツ社会専攻に進学した。3回生の時、東京2020大会の開催が決まる。「絶対に東京オリンピック・パラリンピックに関わりたい。それには何か専門性を身に付けなければ」と、大学院進学を決めた。その思いを実現し、IPC(国際パラリンピック委員会)の開発部門を担うアギトス財団で、東京パラリンピックに向けて、パラリンピックや障がい者への理解を促進するための教育プログラム「I’mPOSSIBLE」の開発を担当した。まだ障がい者理解やパラスポーツが浸透していない国々でプログラムを展開する中で、「周りの人が『この人はできないだろう』と思い込んでいるから、チャンスが与えられないだけ。障がいの有無やそれぞれの国・地域の環境に関わらず、誰もが当たり前にスポーツを楽しめる仕組みをつくることに情熱を注ぎました」。それが現在の活動につながっていく。2021年にローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団に転職してからは、プロテニスプレーヤーの大坂なおみ選手が発足した「プレー・アカデミー with 大坂なおみ」のプロジェクトマネージャーとして、スポーツを通じて女の子をエンパワーメントする社会貢献活動に力を注いでいる。篠原さんの仕事は、地域で活動するクラブやスポーツ指導者の取り組みを支える「裏方」だ。「男の子に比べてスポーツをする機会が少なくなりがちな女の子たちに身体を動かす楽しさを知ってほしい。そこからライフスキルやコミュニケーション能力といった『自分らしく生きる力』を学べる仕掛けをつくろうとしています」と言う。2023年からは、財団の仕事をしながら立命館大学社会学研究科の博士後期課程で研究にも取り組む。「自分で自分の可能性を狭めないでほしい。今後は何かをやりたいと思った人にチャンスを提供できる場をつくりたいと思っています。そのためにこれまでの活動を通じて実感してきた『スポーツの社会的価値』を学術的に研究し、発信していくつもりです」と新たな目標を見据えている。スポーツ国際開発 専門家篠原 果歩さん株式会社京都フィナンシャルグループ/株式会社京都銀行 取締役奥野 美奈子さん共通教育推進機構 小辻 寿規 准教授『孤立・孤独を防ぐまちの居場所』 撮影:岡田 一也スポーツ国際開発 専門家(’16産社)Present■PROFILE京都府出身。2016年、産業社会学部卒業。筑波大学大学院人間総合科学研究科修了。2018年、アギトス財団の日本人初のフルタイム職員になり、組織再編でIPC 職員に。2021年、ローレウス・スポーツ・フォー・グッド財団に転職。2022年、「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2022 日本発『世界を変える30歳未満の30人』」にソーシャルインパクト部門で選出される。現在、立命館大学社会学研究科博士後期課程に在学中。アンケートにご協力いただいた方に抽選でプレゼントをお贈りします!22学生の活躍25キャンパストピックス29立命館オンラインセミナーのご案内30INFORMATION掲載内容は2024年1月時点のものです。(一部特記箇所を除く)デザイン・ディライツ広告事務所さん輝くひと誰もが挑戦できる社会へ当たり前にスポーツを楽しめる 環境をつくる。

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