会報りつめい293号 デジタルブック
11/32

PROFILEAPRIL 202411株式会社京都フィナンシャルグループ/株式会社京都銀行取締役奥野美奈子さんリカバリーのアドバイスもたくさんできます。 私は失敗を歓迎します。 問われるのは、失敗とどう向き合うか。 私はたくさん失敗した分、 組織に対して惜しみなく ノウハウを出したいと思っていますした経験をたくさんしてきたので、子育てしながら仕事を続ける行員の大変さや悩みがよく分かります。支店長になってからは、部下が休む時には「男性でも女性でも、誰の穴も埋められる組織だから、安心していいよ」と言ってあげられるようサポート体制や組織づくりに力を注ぎました。かつて「結婚して子どもができたら辞めます」と言っていた女性の後輩たちが、今、結婚・出産を経て復職し、管理職として活躍しているのを見て、私が頑張ってきたことも無駄ではなかったなと思っています。キャリアの中では、たくさんの失敗も経験してきました。忘れられないのが、伏見支店で営業課長代理をしていた時のことです。管理職として経験を積んでスキルも上がり、自分の判断に自信を持つあまり、いつの間にか他の人の意見を寄せ付けなくなっていたことで、お客さまにご迷惑をお掛けする結果を招いてしまいました。その時、一度も私を責めることなくフォローしてくれたのが上司でした。とても心が痛かったけれど、部下が本当に困った時、何も言わずに支えてくれた上司に、上に立つ者のあるべき姿を教えてもらいました。一人の力でできることは、たかが知れています。組織の中では、多くの人の力を借りて仕事を全うすることが大切なのだということも学びました。また大きなチャレンジだったのが、新たに設置されたお客様サービス部の次長に抜てきされたことでした。頭取からのオーダーは、「銀行に寄せられるさまざまな苦情を宝の山に変える」こと。部下と3人で会社を飛び出して異業種の取り組みを見て回り、良いと思ったことを次々と取り入れていきました。前例のない取り組みに、行内から反発を受けたこともありましたが、新しいことに挑んだ経験は、今も貴重な糧になっています。2022年6月、株式会社京都銀行の取締役を拝命、2023年10月には株式会社京都フィナンシャルグループの取締役に就任しました。私自身さまざまな人に応援してもらい、助けてもらって、ここまでやってこられたと思っています。だから今度は、次の20年30年をつくっていく若い社員たちが希望とやりがいを持って働ける会社にしていくことに、新たなモチベーションを見いだしています。これまでチームで仕事をする中で、素晴らしい上司だけでなく、「すごいな」と素直に尊敬できる部下ともたくさん出会えたことが私の財産です。今、性別によって働き方の可能性を狭めることなく、誰もが挑戦できる組織で働けることをうれしく思っています。京都府出身。1989 年法学部を卒業後、京都銀行入行。預金・融資係を経て1995年に国際営業部へ異動し、外国為替業務を担当。河原町支店係長の時、結婚・出産。育児休業を経て復職後、2005年、銀行の顧客満足向上を目指す新組織の次長に就任。その後、2支店で支店長、企業内学校の「金融大学校」の学校長を歴任。2019年6月、京都銀行執行役員を経て、2022年6月、京都銀行取締役、2023年10月京都フィナンシャルグループ取締役に就任。新規事業開発部長も兼任し、地方創生と海外展開に力を注ぐ。多くの人の助けがあって 多くの人の助けがあって 今がある今がある

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る