でゲストハウスを経営しています。経営の知識・スキルを導入し、高付加価値で宿泊客の満足度が高く、かつ、地域にもお金が落ちるモデルに挑戦したところ、期待した成果を出すことができました。もちろん課題も山積していますが、自分で実践してみて、改めて経営の知識・スキルが地方の宿泊事業者の課題を解決する力になると、確信を深めました。多様な業界・業種に求められる 観光マネジメントの知識牧田 観光事業のみならず、観光関連事業や全くの異業種、行政、また地方の金融機関にとっても、観光マネジメント専攻の学びは役立つものだと思います。例えば地域の事業者への融資を考えるとき、土地や建物の担保価値では測れない価値・将来性を見極めることができれば、地域の潜在的な魅力・ポテンシャルを伸ばすことが可能になります。よく例に挙げるのですが、日本のある地方を訪れた外国人が、赤いランドセルを背負った少女が田んぼのあぜ道を歩いている光景を見て、「ビューティフル」と感嘆の声を上げたというエピソードがあります。つまり地域の魅力や価値は、決して名物や名所ばかりではないということです。大島 観光マネジメント専攻に着任予定の客員教員の中には、実務家が多くいます。Walk Japan Ltd. CEOのポール・クリスティ氏は、知られざる日本をテーマに、歩きながら日本の田舎を体感するツアーを外国人富裕層向けに商品化した先駆者です。バリューマネジメント株式会社の代表取締役である他力野淳氏は、歴史的な邸宅や町家を改修した分散型ホテル、木造天守に宿泊ができる城泊のように歴史的建造物を保存・活用した観光振興やまちづくりに取り組んでいます。彼らはいずれも従来の観光資源とは違うところに価値を見いだし、マネタイズしています。こうした実務家教員からも、実体験に基づいた貴重な学びを得られると思います。牧田 先に述べたように、まちの魅力をつくる上で重要なのが、住民たちのまちに対する誇りと愛着、すなわち「シビックプライド」です。そこに住む人がシビックプライドを持ってまちをつくっていけば、必ずまちの魅力・価値が湧き出てきます。そういうまちであれば、まちの人と同じものを食べ、何げない日常の暮らしに触れることが、観光客にとって価値ある観光体験になります。そんなふうに「観光」に対する考え方を変えていく必要があります。そのため、これから観光マネジメント専攻を通じて、微力ながらそれに貢献していきたいと考えています。大島 観光業界は変化が激しく、課題は一朝一夕に解決できるものではありません。観光マネジメント専攻では、多様な業界・業種の方々におのおのの悩みを持ち寄っていただき、一緒に解決策を考えていきたいと思っています。難しい課題があればあるほど私たち教員も燃えます。牧田 同感です。私たちは観光マネジメント専攻を、さまざまな悩みや課題を出し合い、地域を変え、新しい観光を生み出していくための知恵やアイデアを交換できる場にしたいと考えています。観光マネジメント専攻では、地理的な制約を取り除くべく、オンラインでの学びを可能にしています。ぜひ全国の校友の皆さんにも入学していただき、多様な人が立場を超えて学び、おのおののビジネスを、地域を、そして日本をより良くしていきたいと願っています。大学院経営管理研究科「観光マネジメント専攻」を設置します。|| 一期生募集 ||特設ページはこちら2024年4月、https://www.ritsumei.ac.jp/mba/thp/DECEMBER 202323牧田正裕教授大学院経営管理研究科2003年博士(経営学、立命館大学)専門分野:社会制度としての会計/サービスマネジメント/観光マネジメント『観光に、MBAの力を。』お知らせ変えていく「観光」の価値
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