大おお西にし 里り枝え03巻頭特集02輝くひと08RITSUMEIINTERVIEW 12オール立命館校友の集い2023開催レポート18校友会未来人財育成基金19思い出のあの場所20つながる、ひろがる校友会22立命館の研究者たち特別対談大学院経営管理研究科 牧田 正裕 教授大学院経営管理研究科 大島 知典 准教授「観光マネジメント専攻が変えていく『観光』の価値」24学生の活躍26キャンパストピックス~校友会ネットワーク~編集室から立命館大学校友会報「扇子だけでなく『暮らす京都』を伝えていくことが大切と考えています」京都で80年以上にわたり、京扇子の製造卸業を営む大西常商店。4代目を継いだ大西里枝さんは、コロナ禍で売り上げの大幅減少に直面し、京都の伝統産業がいかに観光に深く関わっているかを痛感したという。祖母の自宅でもあった店舗は、築150年の京町家。そうした歴史的な建物や町並みの保全に関心を持ち、政策科学部に進学した。大学では、各地の産業遺産を訪れ、フィールドワークを経験した。学ぶ中で地域活性化に興味を持ち、熱心に打ち込んだのが学生ボランティア団体「IVUSA京都」の活動だった。熊本県天草市を訪れ、台風で荒れた海岸の清掃などに取り組んだ。「地元自治体と連携しながら、地域の課題を解決するにはどうすればいいかを考えました」。卒業後、NTT西日本に就職したのも、通信インフラによって人と人をつなぎ、地域を支えたいと思ったからだった。各地で勤務した後京都に戻り、家業を継ぐと決めたのは2016年のことだ。入社後は事業を継続させるため、新たな試みに次々と取り組んだ。扇子以外にも事業の柱を育てようと、扇子の骨と呼ばれる竹を使ったルームフレグランスを開発。また店舗の京町家を維持する費用を捻出するため、京町家のレンタル事業も開始した。ホテルと連携して、京町家での投扇興体験や茶席を催し、観光客など新たな客層を呼び込んでいる。「扇子を作るだけでなく、扇子を軸に京都の文化を発信していくことが大切だと思っています」と大西さん。観光に関わる取り組みもその一つだ。最近、大西家が代々行ってきた京都の伝統的な風習や習慣を体験してもらう試みを始めた。「端午の節句に観光客の皆さんと一緒に菖蒲打ちを行いました。その土地で学びや人生を変えるきっかけを得られるような観光が、お客さまにも求められていると感じています」2023年7月、代表取締役社長に就任した。「改めてこの命と商売をつないでくれた先祖にも思いをはせるようになりました。先祖の思いも背負い、次の世代にバトンを渡すのが私の役目。100年先、1000年先に扇子の美しさを残すために、今何ができるかを考えています」。はじけるような笑顔としなやかな強さで、伝統産業に新たな風を吹き込んでいる。株式会社 大西常商店 代表取締役社長大西 里枝さん株式会社JTB 執行役員 西日本エリア広域代表大阪・関西万博推進担当 大阪IR推進担当北村 豪さん 撮影:岡田 一也株式会社 大西常商店 代表取締役社長(’12政策)Present■PROFILE京都府出身。京扇子を製造・販売する大西常商店の一人娘として生まれる。2012年、政策科学部を卒業後、西日本電信電話株式会社(NTT西日本)に就職。2016年8月、大西常商店に入社。4代目として商品開発や新事業開発など、新たな挑戦を続ける。アンケートにご協力いただいた方に抽選でプレゼントをお贈りします!283.11復興への願い29立命館オンラインセミナーのご案内30INFORMATION掲載内容は2023年10月時点のものです。(一部特記箇所を除く)デザイン・ディライツ広告事務所さん輝くひとDECEMBER 2023No.292122DECEMBER 20232コロナ禍を経て変化する観光扇子の美しさとともに、 伝統文化を伝えたい。
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