会報りつめい292号 デジタルブック
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株式会社JTB執行役員西日本エリア広域代表大阪・関西万博推進担当大阪IR推進担当北村豪さん今後、学生さんや世界中にいる校友とも 一緒に面白いことをやりたいと思っていますがあれば何でもできる」という言葉です。シンプルながら本質を突いた言葉だと思い、これにちなんで「活力ある元気な組織をつくる」ことを目指しました。自分自身の経験から、社員が活力にあふれ、楽しく働ける組織になれば、必ず業績はついてくると信じていたからです。私は常々、多様な人がそれぞれの強みを生かして役割と責任を果たしてこそ「強い組織」になると考えています。それを実現するために実践したのが、長所を伸ばす「美点凝視」のマネジメントです。尖っているところを認めて伸ばす一方、組織になじみにくい社員が周囲に受け入れられるよう環境を整えることに心を配りました。業績の振るわない社員にも、その場の空気を和ませるなど、必ず長所があります。それを見付けて評価し、足りないところは補い合って、チームで業績を上げていくことを心掛けました。3年半前、大阪第一事業部の支店長から現在の立場になった時、忘れられないことがありました。送別会の日、約100名の社員たちが、私が敬愛するアントニオ猪木さんからのビデオメッセージをはなむけに贈ってくれたのです。異動が決まってから送別会当日まではわずか10日。その間に社員たちがこれまで培ってきた人脈や営業力を駆使して、一面識もない猪木さんの事務所にたどり着き、メッセージをいただいてくれたのでした。まさに管理職になって以来情熱を注いできた組織マネジメントの成果を見た思いがして、涙が止まりませんでした。価値創造は「つなぐ・つなげる」ことで生まれるという考えの下、私たちは「交流創造事業」を事業ドメインとしています。再び交流できるようになってきた今、さまざまな交流を創造し、交流の力で地域を活性化したいと考えているところです。これまではお客様を日本から海外へ連れていこうという発想でしたが、これからは国内外の方をいかに地域に呼び込み、そこで交流を生み出すかが重要だと考えています。そのために地域でまだ発掘されていない観光資源や文化を掘り起こし、それを起点に交流を促進していきたい。全国47都道府県にあるJTBの拠点で取り組んでいます。2025年に開催される大阪・関西万博は、日本の地域に光を当てるチャンスです。日本、そして世界中から訪れる人々に、万博だけでなく、周辺地域に足を延ばしていただくような仕組みづくりに挑戦しています。万博をきっかけに、各地域の魅力を世界中の方々に知っていただけたら、これほどうれしいことはありません。交流の力で地域、そして日本を元気にする。私たちが地方創生に貢献できるのは、まさにここだと確信しています。京都府出身。1986年に経済学部を卒業後、株式会社JTBに入社。法人営業担当として数々の旅行やイベントを企画・実施する。京都・和歌山・大阪の各支店で支店長を歴任。2020年、大阪第一事業部支店長から西日本エリア広域代表へ。現在統括として大阪・関西万博、大阪IRに関わる事業も推進する。ユネスコきもの親善大使・フィレンツェ文化交流PROFILEDECEMBER 202311「つなぐ・つなげる」を創り地域を元気にしたい「つなぐ・つなげる」を創り地域を元気にしたい新型コロナウイルス感染症の流行によって、人に会えない、交流できない、旅ができないことが、いかに人生から楽しみを奪うのか、そして経済活動をストップさせるのかを思い知らされました。またコロナ禍は、どれだけデジタルやバーチャルな世界での交流が可能になったとしても、人と人とがつながるリアルな交流に勝るものはないと再認識した期間でもありました。だからこそ、交流の力で日本を元気にしたい。その思いはますます強くなっています。交流・つながりを増やすことでイノベーションを起こし、「共創」によって社会課題を解決していける。私たちはそう信じています。

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