デジタルブック290号
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冨とみ田だ大だい介すけテレビ業界、出演者、そして多くの視聴者に高く支持される番組制作について語っていただいた。部に進学しました。大学に入学した時は、将来映像やエンターテインメントに関わるとは思ってもいませんでした。今でも心に残っているのは、友達と過ごした思い出です。私自身はサッカーサークルに入っていましたが、なぜかアメリカンフットボール部「パンサーズ」の選手たちと仲良くなって。彼らの練習の後、一人暮らしの部屋に集まって徹夜で話をしたり、ワイワイ言い合いながら一緒にご飯を食べたり、そんなたわいもない時間がとても楽しかったことを覚えています。自由な時間の中で、自分自身のことや将来についてじっくり考えることができた4年間は、非常に有意義だったと思っています。「将来、どんな職業に就くんだろう」と考える中で興味を持ったのが、子どもの頃から好きだったテレビの世界でした。とりわけ大好きだったのが、お笑いコンビのナインティナインです。「自分がつくったものを届けて、大勢の人を楽しませる仕事っていいな」と考えた時、まず頭に浮かんだのが「ナインティナインと一緒に仕事がしたい」ということでした。とはいえ、どうしたらそれをかなえられるのか、まったくわかりません。そこで彼らが出演しているテレビ番組のエンドロールから番組をつくっている制作会社を調べ、撮影: 岡田 一也RITSUMEI INTERVIEWAPRIL 20238株式会社シオン上席執行役員/演出お笑いコンビのナインティナインに憧れてテレビ業界に入り、数々の人気バラエティー番組の企画・演出を手掛けてきた冨田大介さん。その一つ『ヤギと大悟』は第59回ギャラクシー賞「選奨」を受賞した。片っ端から履歴書を送りました。その中の一つが、現在勤める株式会社シオンでした。エントリーシートを送付する際、「通常の履歴書ではナインティナインへの自分の熱量は伝わらない」と思い、A4用紙3枚にびっしり自分の想いを書いて一緒に提出しました。その熱意が買われたのか、入社後すぐにナインティナインがMCを務めるトーク番組の制作に配属されました。幸せなことに、以来20年近く、ナインティナインの数々の番組に関わり続けています。最初はアシスタントディレクターとしてスタート。入社4年目にディレクターになり、自分で番組の台本を書き、演出から収録後の編集まで担当するようになりました。いつも念頭に置いていたのが「他の人が思いつかないことをやりたい」「視聴者がこれまで見たことのない番組をつくりたい」という思いです。出演者が「すごい斬新な企画じゃん」と面白がってくれると、番組はいっそう盛り上がります。リスペクトしているお笑い芸人さんに認めてもらえることがうれしくて、「自分にしかできないことをやろう」という気持誰も見たことのない番組をつくりたいさん(’04経営)「こんなの初めて見た」が 最高の褒め言葉「仕事=経営や起業」というイメージがあり、経営学

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