デジタルブック290号
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映像学部ができ、うらやましい限りです。 私の在学中にはなかった テレビ業界の仕事について お話しする機会があれば、 喜んで協力したいと思っていますPROFILEAPRIL 202311株式会社シオン上席執行役員/演出冨田大介さんで決めて企画書をテレビ局に持ち込みました。「いける」と思ったのは、オファーした大悟さんが、開口一番「なんやこの番組は?」と笑って突っ込んでくれた時です。まさに今、日本中を笑わせている超売れっ子の芸人さんが、自分の企画の斬新さを面白がってくれたことがうれしかった。さらに胸が熱くなったのは、番組を放送後、多くの視聴者から「癒やされた」「子どもが釘付けで何度も見ています」といった声をいただいたことでした。思春期の娘を持つ親から、「この番組をきっかけに、普段まったく会話がない娘と久しぶりに話しました」という感想もありました。自分がつくった番組が、誰かの人生をほんの少しでも良くできたのなら、これほどの喜びはありません。最初はただナインティナインと仕事をしたい一心でしたが、多くの仕事を経験する中で少しずつ自分自身の意識が変わり、今は番組を通じて人を癒やしたり楽しませたりすることに大きなやりがいを感じています。その思いがひときわ強くなったのが、2022年3月に放送したバラエティー番組『霜降り明星の校内放送ジャック』を企画・制作した時でした。お笑いコンビの霜降り明星が、3月で閉校する中学校を予告なしに訪問し、「校内放送」を乗っ取るというものです。子どもからコロナ禍で給食中は黙食だと聞いたことが企画のきっかけです。「面白い校内放送を流して、給食や昼休みを楽しい時間にできたら」。そんな思いで企画書を書き上げました。収録当日、霜降り明星のお二人の校内放送は子どもたちに大受けでした。閉校と同時に定年退職を迎える校長先生からは「最後に素晴らしい思い出ができました」と感謝の電話を後日いただきました。視聴者からも好評を獲得。自分のつくった番組に良いリアクションが返ってくる。これだいこそ仕事の醍だと思いました。ごみ醐味『霜降り明星の校内放送ジャック』©テレビ東京テレビ業界に入って、非常に大勢の人に届けられることを改めて知りました。昔に比べてテレビに元気がなくなったと言う人もいますが、視聴率1%は約100万人が見ている計算になるともいわれています。そう考えるとテレビの可能性は、まだまだ大きいと思っています。さらに近年は、動画配信サービスなどによって日本だけでなく世界中に届けられるチャンスも広がっており、作品づくりへの意欲がますます高まっています。これから先、今の自分には考えもつかない番組を生み出し、自分自身がワクワクしながら仕事をしていきたい。そして何よりそれを見てくれる人が喜んでくれる番組を発信し続けていきたいと思っています。愛知県出身。2004年に経営学部を卒業後、株式会社シオンに 入社。『ナイナイサイズ!』『99プラス』『ぐるぐるナインティナイン』 (日本テレビ)など数々のナインティナインの番組を担当。企画・ 演出を務めるバラエティー番組『ヤギと大悟』(テレビ東京)が、 第59回ギャラクシー賞「選奨」、第38回ATP賞テレビグランプリ 情報・バラエティ部門「最優秀賞」を受賞。ギャラクシー賞贈賞式での冨田さん日本を越えて世界に番組を届けるチャンス

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