会報りつめい289号 デジタルブック
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DECEMBER 202221立命館宇治高等学校里井 祥吾監督(’06産社)大学卒業後、家業であるパン屋「ブラザーベーカリー」で働く。その後、母校・京都府立鳥羽高等学校の恩師でもあった卯瀧逸夫監督が立命館宇治高等学校硬式野球部の監督へ就任することを契機に、2006年にコーチ就任。2016年、卯瀧監督から監督のバトンを受け取った。2019年、37年ぶりとなる夏の甲子園出場に導く。初戦・秋田中央高等学校を1-0で下し、甲子園初勝利をあげた。ベスト16で夏を終えましたが、勝っているチームから学ぶことが数多くありましたね。家田 甲子園の期間中に里井さんから「川崎さんに挨拶したか」とお電話をいただいて。その時に初めて川崎さんにご連絡させていただきました。有名な監督さんですし、めちゃくちゃ緊張しました。第一声からもう本当に優しくて。「家田くんのことは知っているよ」と言ってくださいました。川崎さんからは、積極的に仕掛けることであったり、監督自身が強気な姿勢を示すことの重要性についてアドバイスしていただきました。里井さんは、前もって川崎さんに連絡してくださっていました。自分自身、全く経験がないので、先輩方に教えてもらいながら、なんとか良い経験をさせていただいた、つながりに救われたという思いです。里井 野球部のOB会のメンバーに聞くと、立命館大学卒業で高校野球の指導に携わっている方は30名程度いらっしゃるということです。川崎さんをはじめ、甲子園で近年活躍されている先輩もおられますし、励みになりますよね。私のチーム(立命館宇治)は今年の夏は、京都大会の準々決勝で敗退となりました。どの大会も勝ちきることの難しさは毎年痛いほど感じています。学生野球の一番いいところでもあるのですが、毎年選手が入れ替わるんですよね。強くあり続けるのは難しいですね。秋武 私のチーム(立命館守山)は、滋賀大会で2年連続準優勝でした。当然悔しい思いもありますし、選手を甲子園に導いてやれなかったという申し訳なさもあります。ただ、選手たちの能力が100%出せましたので、選手たちもやりきったと感じていると思っています。─コロナの中での高校野球、練習や指導は?川崎 難しかったですね。今までやっていた当たり前のことが全くできないわけなので。「野球人として」「人間として」、いかに頭を使って野球ができるか、練習に取り組めるかということをここ数年何度も生徒に言ってきました。そういう中で、コロナがなかったら当たり前すぎて気付かなかった野球ができる喜び、周りの人が自分たちのために環境を整えてくれていることへの感謝などを改めて感じることができました。大分県・明豊高等学校川崎 絢平監督(’04産社)大学卒業後、社会人野球のクラブチーム「和歌山箕島球友会」に所属、全日本クラブ野球選手権大会優勝に導く。引退後、実家が経営するコンビニで勤務していたところ、高校時代の恩師・髙嶋仁監督に誘われ、母校・智辯学園和歌山高等学校野球部コーチに就任。2012年秋に明豊高等学校硬式野球部監督就任。2021年センバツで準優勝。立命館守山高等学校秋武 祥仁監督(’04産社)大学卒業後、社会人野球の企業チーム「一光硬式野球部」で現役を続ける。その後、「かずさマジック」のコーチに就任、2013年に日本選手権優勝を果たす。2016年、立命館守山高等学校硬式野球部の初代監督に就任。「道具が何一つないところからのスタートだった」と語る。創部4年目で秋の滋賀大会準優勝、創部7年目となった今夏も滋賀大会準優勝、悲願の甲子園初出場を目指している。秋武 私のチームはハード面も整っていないですし、練習時間が短い中で創意工夫し、自主性を持ちながら野球をするというのが創部当初からのやり方でした。そういう意味では、コロナの環境だからこそ、ここ数年しっかり勝てているようなところがあります。いろんな制限がある時期だからこそ、自分たちの強みをより発揮できたと思います。─高校野球、自分の高校時代と今の違いは?川崎 昔は、監督やコーチが選手を引っ張っていくという感じでしたが、今は与えられた環境や与えられた知識をもとに、生徒自身がいかに考え練習していくかが重要になっています。自主性というか、本人の考えや思考が結果に大きくつながります。本人に求められる野球に対する姿勢は、僕らの時よりも今の方が強いと思いますね。私は、「こういうトレーニングをした方がこういう効果が出る可能性があるよ」といったアドバイスはしますが、やるかやらないかは生徒次第です。そういう時代だからこそ、高校野球の指導者には「言葉」が必要です。生徒が納得する語彙力というのが非常に大事だと思います。秋武 昔と比べると今の生徒たちは純粋で素直で、自分たちの時よりも練習はとても真面目にする印象です。一方で、結果が伴わない時や失敗した時の立ち直りには時間がかかります。なので、生徒とのコミュニケーションは、めちゃくちゃ考えます。納得させたいので、あまり多くは喋りません。本当に必要なことだけ端的に話すことを心掛けています。里井 立命館大学の先輩である古田敦也さんをはじめ元プロ野球選手の方々がYouTubeでいろいろな話をされていますし、僕らも拝見しています。僕らがやっていた時に比べると情報量がすごく多いですよね。僕が一番ウエートを置いているのは、生徒が気付いてくれることです。技術的なものも精神的なものも自分で気付いたら生徒も納得するし、その気付きにいかにこちらがアプローチしていくかです。─指導にあたって大切にしていること家田 人生はやっぱり「自分」を核にして進めていくものだと思っています。その可能性を自分でふさいでしまうということがない島根県立浜田高等学校家田 康大監督(’09法)大学卒業後、民間企業に就職。30歳を迎えた時に「高校野球の指導者になりたい」という気持ちが芽生える。働きながら教員免許を取得、2020年に母校・島根県立浜田高等学校のコーチに就任、2021年に監督就任。今夏、自身が主将として出場した第86回大会(2004年)以来18年ぶりの甲子園出場に導いた。

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