会報りつめい288号 デジタルブック
2/32

石いし川かわ かおりさんAUGUST 2022No.288PresentⓒLeli BlagonravovaAUGUST 2022203巻頭特集02輝くひと08RITSUMEIINTERVIEW12立命館の研究者たち14立命館ファミリー16校友会未来人財育成基金18オール立命館校友の集い2022予告192022年度校友会幹事会報告20EventReport21立命館オンラインセミナーのご案内22オンラインでつながる、ひろがる各校友会のオンラインでの取り組みアンケートにご協力いただいた方に抽選でプレゼントをお贈りします!会報と大学・校友会の最新ニュースをメールでお届けします!編集室から立命館大学校友会報「私たちの支援によって人々の考え方が変わり、やがて生活が変わっていく。それがうれしい」国連人口基金(UNFPA)で20年以上にわたって数多くの発展途上国に赴き、支援活動に携わってきた石川かおりさん。とりわけ女性や子どもの人権保障や自立支援に力を尽くしてきた。高齢者や障がい者の福祉に関心を持ち、大学時代は産業社会学部発達・福祉コース(当時)で学んだ。転機は留学生の生活をサポートするスタッフとして国際 寮「I(アイ)ハウス」で生活したことだった。「留学生から発展途上国の女性や 子どもへの人権侵害の話を聞いて、ショックを受けました。世界にも支援を必要 としている多くの人がいると知り、開発支援を勉強したくなりました」。卒業後、 英国の大学で開発学を学び、オランダの大学で女性学の修士課程を修了。専門性を生かせる道を探し、NGOなどを経て今の仕事をつかんだ。2016年、国連人口基金(UNFPA)のモンゴル事務所長に就任。2020年に 新型コロナウイルスの感染が拡大し、石川さんは多忙を極めた。「家庭内暴力が 増え、その防止や被害者支援のために啓けい蒙もう活動をしたり、モンゴル政府に働き かけて、コロナ禍で妊婦さんを支援する政策作りを後押ししたり、やらなければなら ないことはいくらでもありました」。遠隔操作で地方に医療サービスを届けるテレメディシンの拡大もその一つだ。ロックダウンにより妊婦さんが病院に行くことができないため、モンゴル政府にかけあい、地方の助産師さんと病院を遠隔医療でつないだ。「本当に大変でしたが、やりがいのある仕事ができてすごく面白かったですね」と充実感をにじませた。もちろんうまくいくことばかりではない。人々の考え方を変え、政策や法律を社会に浸透させるには時間がかかる。それでも取り組んだことが女性や子どもの未来につながっていくと信じ、希望を持って続けている。世界を飛び回る仕事柄、大変なことも多いが、「上司や家族が支えてくれて、私は恵まれています」と感謝の気持ちを忘れない。2021年8月、志願して国連女性機関(UN Women)ジョージア事務所に出向。女性のエンパワーメントに情熱を傾ける。「世界のため、人のために何かしたいと思っている人は必ずいます。様々な人を巻き込み、一緒に支援していきたい」。 世界で支援を必要としている人の存在が石川さんを突き動かしている。国連女性機関(UN Women) ジョージア事務所 代表石川 かおりさん駐モルドバ特命全権大使 片山 芳宏さん国際関係学部 石川 幸子 教授 「国際紛争から『人間の安全』を守れるか?」国連女性機関(UN Women) ジョージア事務所 代表(’96産社)23校友会ネットワーク/校友会TOPICS243.11復興への願い/25応援しよう、個のかがやきを。26学生の活躍28キャンパストピックス30INFORMATION■PROFILE大阪府出身。1996年に産業社会学部を卒業後、1年間、英国のEast Anglia大学で開発学を学び、1997年からオランダのInternational Institute of Social Studiesの修士課程で女性学を学ぶ。国連人口基金に入ってからは、ラオス、イエメン、インドネシア、アフガニスタン、ミャンマーなど10カ国以上の現地事務所に勤務し、20カ国以上を支援。2014年、英国のWarwick大学で経営学修士を取得。2016年、モンゴル事務所長、2021年8月から現職。掲載内容は2022年6月時点のものです。(一部特記箇所を除く)デザイン・ディライツ広告事務所輝くひと118女性や子どもの未来を変える世界の今と向き合う

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る