映画・映像業界で活躍する映像学部の後輩が増えてきました。話したりしていますAPRIL 202211映画監督 株式会社Studio-884.Pro 代表取締役瀧川 元気さん大阪府出身。2011年に映像学部を卒業後、三池崇史監督に師事し、『逆転裁判』(2012)『愛と誠』(2012)などで助監督を務める。その後、テレビ番組やCMなどでロケーションコーディネートやプロデューサーを担当する。近年では瀬木直貴監督作品『マザーレイク』(2016)にてラインプロデューサー、『恋のしずく』(2018)『いのちスケッチ』(2019)にてプロデューサーを担当。『鬼ガール!!』(2020)ではエグゼクティブプロデューサーを務めるとともに、初めて自らメガフォンをとる。映像学部の授業にも携わり後進を育成トータルエンターテインメントを製作・発信したい提供をお願いしたり、自動車販売店に使っていない代車をお借りしたり。多方面に協力を仰ぎ、ドライバーからエキストラまで地域の人の手を借りました。心掛けたのは、地域の人にとっての「面白さ」も創り出すこと。「おそろいのTシャツを作って映画製作の一員になりませんか」「映画に出られますよ」などとお願いすると、喜んで協力してくださいました。製作に関わることで、地域の人にとって映画が「自分たちの映画」「わが街の宝」になる。それが地域創生につながっていくと考えています。こうした経験の全てを注ぎ込んだのが、プロデュース兼初監督作品の『鬼ガール!!』(2020)でした。本作では、私の地元を含む、大阪奥河内(河内長野市・富田林市・千早赤阪村)の全面協力を得て、市内全域でロケを敢行。観光協会や商工会、青年会議所などにも協力していただき、地域の魅力を映像に詰め込みました。映画は、女子高生が映画作りに奮闘する青春物語です。実は途中で少し脚本を変え、劇中で主人公が作る映画に、映像と舞台での演劇をつなげた「連鎖劇」を取り入れるという設定を加えました。これは大学1回生の春、初めて作った映画で私自身が使った手法です。「ジョージ・ルーカスに見てほしい」という大それた夢を抱いて撮影を始めたあの日と同じ気持ちを『鬼ガール!!』に込めました。作品は、映画評論家が選ぶ「ニューヨーク・フィルムアワード」で、最優秀ファンタジー賞と初監督長編作品賞をダブル受賞し、「上海国際映画祭」のインターナショナルパノラマ部門でも入賞。世界に踏み出す一歩になりました。現在、新しい挑戦を始めています。初の試みとして「NFT(Non Fungible Token:非代替性トークン)」や「TikTok」といった新しいメディアを活用した映画作りに取り組んでいます。これまでにないプロモーションを展開し、映画公開前から収益を得る仕組みをつくるのが狙いです。いずれはあらゆるメディアを駆使するトータルエンターテインメントを製作・発信していきたいと考えています。同時に「GENKI TAKIGAWA」の名で全世界に公開する大作映画を監督するという目標も追いかけていきます。究極の目標は、エンターテインメントの振興を通じて日本のGDP成長に貢献すること。日本が豊かになれば、映画に出資・協賛する企業が増え、エンタメ界がさらに活性化する好循環が生まれます。それに向かって、やれるところまでやってみたいと思っています。また10年前、三池監督に教わったように、今度は自分が次代の映画界を担う人を育てていかなければならないと考えるようになりました。後輩たちにも「自分で自分の限界を決めないこと」を伝えたい。どんなに難しいチャレンジでも「どうすれば可能か」を考えれば、必ず突破口が開けます。なりたい自分になるために試行錯誤し、失敗もたくさん経験してほしい。若い人たちに「刺さる」言葉で伝え、後輩たちを育てること。私にとってもやりがいのあるチャレンジです。一緒に仕事をしたり、今後仕事ができればと
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