286

2/32

皆みな川がわ 博ひろ恵えDECEMBER 2021No.286PresentDECEMBER 2021203巻頭特集02輝くひと08RITSUMEIINTERVIEW12東京2020オリンピック・パラリンピック14オール立命館校友の集い2021開催報告24オンラインでつながる、ひろがる25応援しよう、個のかがやきを。／26立命館オンラインセミナーのご案内273.11復興への願い／各校友会のオンラインでの取り組み／校友会ネットワーク母校・後輩支援事業「RI-sA」活動報告校友会未来人財育成基金／会報と大学・校友会の最新ニュースをメールでお届けします！アンケートにご協力いただいた方に抽選でプレゼントをお贈りします！編集室から立命館大学校友会報「結果が全ての世界。やりきらないとその結果にたどり着けない」2021年夏の東京2020オリンピックを振り返って、皆川博恵さんはこう語った。女子76kg級に出場。惜しくも3位決定戦に敗れ、念願だったメダルには届かなかった。「大会前の一年間、心掛けていたのは、毎日一生懸命やりきること。結果を出せなかった悔しさはありますが、『やり残したことはない』と断言できる状態で試合に臨むことができました」と語る顔に曇りはない。2012年から全日本選抜選手権8連覇、世界選手権で2017年から3年連続で表彰台に上がるなど、華々しい戦績を残してきた。最重量級の世界の強豪の中に交じると、身長162cmの皆川さんはひときわ小柄だ。「自分の戦い方を見つければ、デメリットも強みにして世界と勝負できる。それがレスリングの面白いところです」と言う。しかし活躍の一方で、苦しみや悔しさも味わってきた。2015年、世界選手権の3週間前に膝の靱じん帯たいを断裂。翌年のリオ五輪出場を逃した時には現役引退も考えた。「でもやっぱりレスリングが好き。その思いがもう一度がんばる原動力になりました」「試合でマットに立つのは、一人」。だが、会場に響く声援やセコンドのコーチ陣の声、多くの人の応援メッセージに励まされてきたという。東京2020オリンピック後、「『勇気づけられた』というメッセージをたくさんもらいました。レスリングをしているお子さんが、怖くてできなかった技に挑戦し始めたというメールを読んだ時は、うれしかった」と明かす。「できることは全てやった」と言いきる過酷な練習、試合に懸ける思い、全てがこもった戦いぶりが、多くの人の心を動かしたことは間違いない。「もともと人見知りなんですが、外国人選手には不思議と気軽に話し掛けることができるんです」と言う皆川さん。外国人選手と親しくなって世界が広がった経験から、立命館大学経済学部国際経済学科に入学。遠征で訪れた国の経済問題にも目を向けるようになった。「現役を続けるかどうかはまだ決めていません。でも将来は海外でコーチすることにも関心を持っています。レスリングがまだ盛んでない国で強化や普及の役に立つことができればいいですね」。いつか指導者として世界の舞台に立つ皆川さんが見られるかもしれない。 立命館大学関係者史上最多の11名が出場！東京2020オリンピック レスリング女子日本代表皆川 博恵さん富士通株式会社 デジタルソフトウェア＆ソリューションBG スポーツビジネス統括部 統括部長 藤原 英則さん 撮影：二村 海東京2020オリンピック レスリング女子日本代表さん（’10経済）28学生の活躍29キャンパストピックス30INFORMATION■PROFILE京都府出身。立命館宇治高等学校を経て、2006年、立命館大学入学。卒業後、クリナップ株式会社入社。2012年、全日本選抜選手権で初優勝。以降、8連覇を達成する。2017年・2018年、世界選手権3位。2019年、世界選手権で2位を獲得。東京2020オリンピック5位入賞。掲載内容は全て、2021年10月時点のものです。デザイン・ディライツ広告事務所輝くひと116マットに立つのは一人。でも多くの声援に力づけられた。スポーツが未来を変える