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元シンクロ選手武田美保さん(’99産社) 元プロ野球選手古田敦也さん(’88経営)◀大学での何気ない日常◀学部事務室、 学生部の職員の方◀ ▶DECEMBER 202117キャンパスの思い出の場所は?以学館前、 オリンピック初出場の 際の壮行会場所柊野グラウンド▶ どもの時に出会った野球をずっとやってきました。大学時代は「同志社大学や近畿大学に勝ちたい」と思い、勝ったら次は「東京六大学には負けたくない」となって、その次は全日本のメンバーとしてアメリカや韓国、台湾が相手になって・・・。「世界をとる」という野心を持って、目の前の相手に一つずつ勝っていくことが大切だったと思っています。だから若い人にも、自分の可能性を信じて、懸命に生きてほしいですね。武田 私にも野心に近い目標がありました。小学6年生の時、1988年のソウルオリンピックに出場された小谷実可子さんや田中京さんを見て、「格好いいな」と思った時からカウントダウンが始まりました。自分が目標とするオリンピックから逆算して、「この大会までにここを直して」「半年であのライバルを射程圏内に捉えよう」と、戦略を立ててやってきました。9割はしんどいことばかりですが、最後に「全てが必然だったんだ」と思える瞬間がある。それを求めてやり続けてきたような気がします。―今のアスリートに思うこと古田 自分の可能性を否定しないでほしい。インターネットで多くの情報を入手できる時代、情報がありすぎて、挑戦せずに諦めてしまう人がいるかもしれません。でも情報があるからこそ、自分にも「チャンスがある」と、ワクワクしてほしいと思います。武田 「上手になりたい」「勝ちたい」と本気で思っているかどうかで、練習の習熟度は変わります。「自分から求めていく」という気持ちをもっと貪欲に示してほしいと思っています。―スポーツの魅力とは?古田 野球の良いところは、勝ち負けがあって、チームで目標に向かって努力し、みんなで勝利を喜び合えること。チームで勝つためにはどうしたらよいかを考えたり、自分の役割を考え行動する力も身に付きます。それは人生でも同じです。野球を通じて経験したことは、社会に出てからも仲間づくりや人間形成の上でも活きてくると思っています。お世話になった人は?野球部の中尾監督▶ 大学時代の最良の思い出は?ドラフトで指名 されなかったこと。悔しい思いがプロでの活躍につながった幼少期から野球を始める。兵庫県立川西明峰高等学校卒業後、立命館大学経営学部に進学。卒業後はトヨタ自動車硬式野球部に所属、1988年ソウルオリンピックでは日本代表選手として出場し、銀メダルを獲得。1990年、ドラフト2位でヤクルトスワローズに入団。リーグ優勝5回、日本シリーズ優勝4回、MVP2回、首位打者1回、ベストナイン9回、ゴールデングラブ賞10回など、球界を代表する捕手として輝かしい実績を残した。2006年からは選手兼監督を務め2007年現役引退。現在は、野球解説者・スポーツコメンテーターとして活躍。2015年、野球殿堂入り。5歳から水泳を始め、7歳でシンクロ(現アーティスティックスイミング)に転向。13歳で井村シンクロクラブに移籍し、ジュニアの日本代表に入る。17歳でナショナルA代表入り。立命館大学在学時には、1997年から立花美哉選手とデュエットを組み、その後日本選手権7連覇。アトランタ・シドニー・アテネオリンピックで銀・銅合わせて5つのメダルを獲得する。引退後は解説・CM出演・ショーなどで活躍。現在は指導者としてジュニアの育成にも力を入れる。2018年、国際水泳殿堂入り。武田 私がスポーツをやって良かったと思うのは、自分とトコトン向き合えたことです。現役を引退しても、人生では苦しい状況を打破しなければならない時が必ずあります。そんな時、「どんな時も諦めずにやってきたから、今回も必ず乗り越えられる」と思える自信を培うことができました。また今回のオリンピックで選手たちの活躍を見て、「このパフォーマンスに至るまでにどれほど自分を高めてきたのか」と、涙が出るほど感動しました。限界を超えて取り組む姿を通して、言葉にならない感動や勇気を与えられる力がスポーツにはあると思います。―これからの夢古田 これまで野球選手として、たくさんの経験を積んできました。それを若者たちに伝え、「未来って面白そうだな」と思ってもらえるよう、刺激を与えていきたいと思っています。武田 私もメディアを通じてスポーツの素晴らしさを伝えていきたい。またアーティスティックスイミングのコーチもしているので、若い選手たちが羽ばたくのを全力で手伝いたいとも思っています。―立命館大学の卒業生・学生へのメッセージを古田 今までの人生を振り返って考えてみると、僕は「自分の可能性に挑戦して生きてきたんだな」と思いました。「あいつには勝てるんじゃないか」「まだ可能性があるんじゃないか」と、その時々で目標を見つけ、がんばってきたような気がしています。若い人にも、自分の可能性にチャレンジしてほしいと思います。がんばってください。武田 人間って自分が思うよりもずっと多くの潜在能力を持っていると思っています。時には立ち止まってしまうこともあるでしょう。その時に「自分は強いんだ」「余力があるんだ」と思ってください。そうすれば、一度止まったエンジンを再びかけることができるのではないかと思います。Q.Q.立命館大学の思い出Q&A立命館大学の思い出Q&AQ.Q.Q.Q.

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