AUGUST 202111立命館大学でも、身近な先輩として 学生の皆さんに 体験談を伝えたいと思っていますPROFILE株式会社アキュラホーム SDGs推進室 室長西口 彩乃さん奈良県出身。2012年に理工学部を卒業後、木造注文住宅会社の株式会社アキュラホームに入社。営業職を経て、2014年より広報を担当。2018年から「木のストロー」の開発を始め、商品化に成功。ホテルをはじめ導入が広がっている。2021年に新設のSDGs推進室の室長に就任。教育活動など多様な取り組みを展開している。「木のストロー」を切り口に SDGsに取り組むもう一つ新たに始めたのが、「木のストロー」を教育に生かす試みです。静岡市の小学校から依頼を受け、2020年10月、4年生から6年生までを対象に環境授業を行いました。間伐材を原料にしている「木のストロー」は、プラスチックゴミ問題だけでなく、森林保全の問題を考えてもらう上でも格好の題材です。コロナ禍のためオンラインでの授業になりましたが、子どもたちに「木のストロー」を完成させるまでのストーリーを語るとともに、実際に「木のストロー」作りを体験してもらいました。またうれしかったのは、立命館小学校からも依頼を受けたこと。2021年2月と3月、2回にわたって授業を行いました。授業では私が話すだけでなく、「林業×SDGs」をテーマに子どもたち自身で考え、問題解決につながるアクションプランを作成してもらいました。さらにその報告会を兼ねた2回目の授業では、当社の社長のほか、「木のストロー」の開発を発案された環境ジャーナリストの竹田さんや、林野庁の方にも協力を仰ぎ、それぞれの視点から講評をいただきました。「木のストロー」を通じて培ったつながりを生かし、多様な分野の人々と一緒に教育に貢献できるところも良いなと思っています。その他にもこれまで小学校から大学までさまざまな学校で授業を行い、気付いたことがあります。それは、「木のストロー」が教育ツールとして大きな可能性を秘めているということです。「木のストロー」の開発をめぐるストーリーには、環境問題や森林保全の問題以外にもたくさんの学びのヒントがあります。例えばある女子大で行った講義では、ジェンダー問題の視点から、女性である私が企業の中で新規事業を立ち上げるエピソードを語りました。就職を前にした学生たちには、身近な立場から働き方や生き方について伝えられることがあると考えています。今後も教育に関わり、幅広いテーマでさまざまな年代の人たちに刺激を与えられたらうれしいですね。環境への取り組みや教育活動に留まらず、多様な切り口からSDGs(持続可能な開発目標)達成に貢献できるのではないか。そう考えた私は会社に訴え、2021年1月、SDGs推進室が新設されました。これまでの経験から確信を持って言えるのは、一人、一企業のできることは小さくても、分野を超えて協力すれば、難しい目標も達成できるということです。今後SDGs推進室では、何をするにしても必ず自社以外と連携して取り組むことを決めています。私自身も固定観念や既存の枠にとらわれず、新しいことに挑戦していきたい。まだまだやりたいことがたくさんあります。
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