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2020年4月、新型コロナウイルスの感染拡大APRIL 20217が深刻化する中で、多くの結婚式が中止、または延期された。待ち望んだ結婚式を諦めざるを得ない人が続出する状況で、結婚情報誌『ゼクシィ』の編集長を務める平山彩子さんは「いったいどんな記事を届ければいいのか」と深く悩んだと語る。「誰かと一緒に生きていく。そう決めた二人をどんな時も応援したい。その想いから、結婚式を挙げたいと考えているカップルに役立つ情報をいち早く発信しようと決めました」と平山さん。結婚式を挙げた方に取材し、どんなことに困ったかを聞き取るなど、リアルな状況を伝える誌面作りに努めた。その中で心を砕いたのは、読者が少しでも前向きな気持ちになれる内容を盛り込むことだ。ソーシャルディスタンスを取りながら素敵な写真を撮る方法やオンライン結婚式の楽しみ方を紹介したり、今すぐ結婚式を挙げられなくてもウエディングドレスを着て記念写真を撮ってもらえたらと「前撮りに映えるウエディングドレス企画」を組んだりするなど、視点を変えて現在の状況でこそ楽しめることはないかと必死に考えた。結婚自体や結婚式をするかどうかを迷いながら『ゼクシィ』を手に取る人も少なくないという中にあって、平山さんは結婚式を大切に思う理由をこう語る。「別々の家庭に生まれ、異なる環境で育った二人が出会い、価値観を合わせて共に生きていくことを決意する。結婚の背景には、二人の過去を含めた壮大な物語があります。そんなドラマチックな物語を色濃く人生に刻んでほしい。いつもそう思っています」。そうした考えを育んだ原点は、大学時代にある。子どもの頃から本を読むことが何より好きだったという平山さん。大学も日本文学を専門に学べるところを探し、立命館大学の文学部日本文学専攻を見つけた。「文学史をひも解きながら同時代の異なる作品に共通点を探したり、作家の人生を掘り下げて作品に投影されているところを深く読み解いたり、大好きな本にどっぷり浸かった本当に幸せな4年間でした」と今、世界中が同じ困難に直面していますが、それをどう捉え、自分がどう行動するかによって未来はまったく違うものになるはずです。これからも世界や自由は、もっと広がっていきます。今の経験も必ず将来の糧になる。だから恐れず、自分らしく進んでいってください。振り返る。その中で、一人ひとりの人生にある「物語」を大切にする視点を培ったことが、今の仕事に欠かせない糧になっている。大学卒業後、一度は人材紹介会社に就職したが、働いてみて初めて自分の幸せや自己実現にとっての「働くこと」の意味を考えた。改めて「大好きな本や文章に携わる仕事に就きたい」という想いを強くし、転職を決意。2008年、『ゼクシィ』編集部で編集者としてスタートを切った。それから10年余り、結婚や結婚式に対する価値観の変化を感じてきた。「現代は『結婚式』への憧れよりも、『夫婦になる』ことや『誰かと一緒に生活し、生きていく』ことに対する希望や関心が高まっているように思います。かつて結婚式・披露宴は、一人前になったことを親戚や知人に披露し、認めてもらうためのものでした。でも今ではそうした『公的』な意味は薄れ、より『私的』なものになり「感謝」や「周りの大切な人とのさらなる関係性構築」が重要になっています。そうした時代の価値観をきちんと反映させて本を作っていかなければならないといつも考えています」と語る平山さん。2015年に編集長に就任してからは、「結婚式」だけでなく「結婚すること」に焦点を当てた記事も積極的に増やしてきた。コロナ禍に直面する今、結婚式を巡る意識はさらに大きく変わりつつあるという。「コロナ禍で本当に大切な人との関係がより濃くなったような気がします。形式にとらわれず、二人がその後もずっとつながっていきたいと思う人をきちんと招き、感謝の念や祝福の気持ちを伝え合う。そんなより本質的なつながりを大切にする結婚式が増えていくのではないでしょうか」。未曽有の事態を経て新しいライフスタイルや人生観が生まれ、結婚式のあり方も変化していく。しかし「一緒に生きていくと決めた二人を祝福し、応援したいと思う気持ちがある限り、結婚式はなくならないと私は信じています」と力を込める平山さん。「これからも、『おめでとう』と祝う気持ちを受け取ることのできる場を残していく。その役割をしっかり果たしていきたい」と決意を語った。新校友へのメッセージ

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