校友会報「りつめい」No.283(2021 JANUARY)
2/32

本ほん多だ 力ちから「RI-sA」活動報告 2「舞台と客席が一体となって創り出す空気が好きなんです」。京都を拠点に活動し、いまや全国で人気を博す劇団・ヨーロッパ企画のメンバーとして活躍する本多力さん。子どもの頃、母親に連れられて小劇場に通ううち、演劇の虜とりこになった。「すごく近い距離で、台詞の一言ひとこと、役者の表情や息遣いまで伝わるのが舞台の魅力。役者の熱演と観客の反応によって劇場に充満するパワーに惹かれました。演じる側になった今は、目の前のお客さんのダイレクトな反応を感じるのが楽しくて仕方ありません」。立命館中学・高校時代はサッカーに熱中したが、大学では演劇をしようと決めていた。立命館大学の自由な学風が、それを後押ししてくれたという。とはいえ「大学の友達の前で演技をするのはなんだか恥ずかしくて」と、他大学の演劇サークルに所属。部室が隣だった縁でヨーロッパ企画の舞台にも誘われるようになり、今日までほぼ全ての公演に出演している。2005年に映画化されたヨーロッパ企画の人気作『サマータイムマシン・ブルース』への出演を機に、テレビや映画にも活躍の場を広げた本多さん。ひと癖もふた癖もある難役をどこか憎めない人物にしてしまう。そんな人間味あふれる演技で、多くの作品に求められるようになった今だからこそ「作品はみんなで創るもの」という想いを強くしている。「共演者やスタッフと話をするうちに、台本を読んだ時には想像もしていなかった演技や展開が生まれることも。相手次第で変わるから演技への興味は尽きません」。しかし2020年、新型コロナウイルスの感染拡大により、事態は一変した。劇団の定期公演は中止。撮影中だったテレビドラマ『浦安鉄筋家族』も中断を余儀なくされた。6月末に撮影が再開された時、「人と顔を合わせて芝居ができる喜びを改めて実感しました」と笑う。YouTubeでヨーロッパ企画の舞台を生配信し、SNSを使った演劇に参加するなど、新しい試みにも挑戦するが、「やっぱり役者やお客さんと相対してお互いを感じながら創り上げる舞台を楽しみたいし、お客さんにも楽しんでほしい」と前を向く。柔和な笑顔の奥に情熱を秘めた本多さんを再び舞台で見られる日が待ち遠しい。 撮影:宅間國博ヨーロッパ企画 俳優さん(’02産社)28 キャンパストピックス29 学生の活躍30INFORMATION編集室から輝くひと11303 巻頭特集 エンターテインメントを止めない02 輝くひと 本多力さん 08 RITSUMEI INTERVIEW土田英生さん12 立命館の研究者たち from RADIANT 人間科学研究科増田梨花教授「心を癒やす『絵本と音楽の力』」ヨーロッパ企画俳優劇作家・演出家/劇団「MONO」代表■ PROFILE京都府出身。立命館大学在学中に同志社大学の演劇サークルで演劇を始める。1999年、ヨーロッパ企画に参加。現在は、同劇団の定期公演の他、外部の舞台やテレビ、映画にも数多く出演している。近年の出演作に『チア☆ダン』(2018年、TBS)、『家売るオンナの逆襲』(2019年、日本テレビ)、『浦安鉄筋家族』(2020年、テレビ東京)などがある。2021年春 新作公演 『muro式』出演:永野宗典(ヨーロッパ企画)アンケートにご協力いただいた方に抽選でプレゼントをお贈りします!本多力(ヨーロッパ企画)ムロツヨシ立命館大学校友会報14 オール立命館校友大会2020開催報告24 母校・後輩支援事業 26 3.11復興への願い/ 校友会未来人財育成基金/ 校友会ネットワーク27 立命館オンラインセミナーのご案内JANUARY 2021No.283Present掲載内容は全て、2020年11月時点のものです。デザイン・ディライツ広告事務所JANUARY 2021舞台と人を愛する個性派俳優

元のページ  ../index.html#2

このブックを見る